新NISAでの積立ポートフォリオ:分散投資と見直しポイントを徹底解説

資産運用、投資信託、NISA

新NISA制度を活用して毎月安定的に資産形成を進める方が増えています。特にS&P500やオールカントリーなどのインデックスファンドを組み合わせて積み立てている方も多く、一定の投資知識がうかがえます。しかし、複数ファンドを選ぶことで実はポートフォリオが偏っている場合も。この記事では、現在の投資配分を客観的に整理し、見直すべきポイントをプロの視点から解説します。

現在の投資配分とその特徴

月7万円の内訳は以下の通りです。

  • eMAXIS Slim 米国株式(S&P500):20,000円
  • eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー):10,000円
  • iFreeNEXT FANG+インデックス:20,000円
  • eMAXIS Slim 先進国株式インデックス:20,000円

一見すると分散投資のようですが、米国株に偏りがちな構成になっています。S&P500とFANG+の比重が高く、先進国株式やオルカンにも米国が組み込まれているため、実質的に米国比率は70%以上と考えられます。

投資先の重複に要注意

実は「オルカン」と「先進国株式」の投資対象は大きく重複しており、両方を保有することは必ずしも効率的とは言えません。例えば、MSCIコクサイをベースとする先進国株式インデックスは約60%が米国株で構成されており、オルカンも6〜7割が先進国です。

このため、分散を目的としている場合でも思っている以上に米国株偏重になっている可能性があります。

FANG+インデックスの位置づけとリスク

FANG+は、メタ、アップル、アマゾン、テスラなど成長株に特化した指数であり、ボラティリティ(値動きの幅)が非常に大きいのが特徴です。短期での大きなリターンを期待できる反面、市場の下落局面では大きく下がる可能性もあります。

FANG+の月2万円が全体の約28%を占めている点は、長期投資としてはややリスクが高めな構成とも言えます。

理想的な見直し方法

ポートフォリオをより安定的に構築するためには、以下のような見直しも検討できます。

  • オルカン1本化:これ一本で全世界に投資できるため、分散効率が高く、他の先進国株式との重複も避けられます。
  • FANG+の比率を減らす:全体の10〜15%程度に抑えることでリスクを分散。
  • 新興国や債券の組み入れ:リスクヘッジとして一定の効果が見込めます。

たとえば以下のような構成にすることも一案です。

  • オルカン:40,000円
  • S&P500:20,000円
  • FANG+:10,000円

これにより全世界分散を意識しつつ、米国の成長株にも適度に投資が可能です。

積立継続のメリットと定期的な見直し

新NISA制度の利点を活かすには、継続投資が最も重要です。マーケットの上がり下がりに左右されず、毎月定額を積み立てる「ドルコスト平均法」によって、リスクを抑えた長期運用が可能になります。

とはいえ、年に1回程度はポートフォリオを振り返り、目標やリスク許容度に照らして再構築を行うことも重要です。

まとめ:このまま継続 or 見直すべき?

現在の構成は米国株偏重のややアグレッシブな投資スタイルです。これがご自身のリスク許容度に合っているならばそのままでも問題ありませんが、より広く分散された安定重視の資産形成を目指すなら一部見直しが有効です。

最終的には、「なぜこのファンドを選んだのか」という軸を持つことが長期投資の成功につながります。投資に正解はありませんが、自分なりの納得のいく戦略を持つことが、ブレない運用につながるはずです。

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