住宅ローンを借りるとき、「なぜこの金利なのだろう?」と疑問を持ったことはありませんか。実は、市中銀行が設定する貸出金利には、日本銀行(=日銀)の政策と深い関係があります。この記事では、初心者の方にもわかりやすく、銀行がどのような仕組みで貸出金利を決めているのか、特に“日銀当座預金との関係”を中心に解説していきます。
日銀当座預金とは?
市中銀行(例:三井住友銀行、みずほ銀行など)は、日銀に当座預金口座を開設しています。これは企業や私たち個人が持っている普通の銀行口座とは異なり、銀行同士の決済や、日銀との取引のための特別な口座です。
この当座預金に対しては、日銀が政策金利に応じて利子(付利)を支払うことがあります。これにより、銀行は日銀に資金を預けることである程度のリターンを得ることが可能になります。
銀行はなぜ民間に貸すのか?
それでは、銀行はなぜ日銀に預けるだけでなく、わざわざリスクを負ってまで民間に貸し出すのでしょうか。答えは単純で、より高い利回り=利益を求めているからです。
仮に、日銀当座預金の利率が0.1%だとしましょう。それに対して、住宅ローンを年1.5%で貸せれば、その差が「利ざや(利息収入)」になります。もちろんリスクもありますが、分散や審査で管理しつつ利益を最大化しようとするわけです。
住宅ローン金利が高くなる要因とは?
住宅ローンの金利は以下のような要因で決まります。
- 日銀の政策金利:基準金利が上がれば、貸出金利も上昇しやすくなります。
- 市場金利:長期国債の利回りやインターバンク市場の金利が影響します。
- 信用リスク:個人の返済能力や雇用状況、担保価値などが加味されます。
- 競合状況:他の金融機関との競争が激しいと、金利は抑えられる傾向に。
このように、住宅ローンの金利は単に「銀行が好きなように決めている」のではなく、日銀政策・市場状況・個別リスクのバランスで決まるのです。
「当座預金の利息 vs 貸出金利」の天秤の構造
質問にある通り、市中銀行は「日銀に預けて安全に利息をもらう」か、「リスクをとって貸し出すか」を天秤にかけています。この判断は“機会費用”とも呼ばれます。
実際、日銀の政策金利が高くなると、銀行は貸出を控え、逆に預金に回す傾向があります。逆に金利が低ければ、収益を確保するために積極的に貸出へ動くわけです。
まとめ:住宅ローン金利は経済のバランスの中で決まっている
住宅ローンの金利は、単なる“儲け主義”ではなく、日銀の政策・金融市場の動向・リスクの判断など、複数の経済的な要因の中で決定されています。
市中銀行は、「日銀に預ける vs 民間に貸し出す」という選択肢の中で、慎重にバランスを取りながら利率を決定しているのです。投資家や借り手としては、その背景を理解することで、より良い判断につながるでしょう。

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