NISA(少額投資非課税制度)では、利益に税金がかからないというメリットがありますが、運用方法によってはその恩恵を十分に受けられないケースもあります。今回は「利益が出たらちょくちょく引き出す」という運用スタイルについて、そのメリットやデメリット、注意点をわかりやすく解説します。
そもそもNISAとは?制度の基本をおさらい
NISAは、個人投資家が一定の非課税枠内で投資を行うことができる制度です。2024年からは新NISA制度がスタートし、年間の非課税投資枠が大幅に拡充されました。主に「成長投資枠」と「つみたて投資枠」があり、売却益や配当金などが非課税になります。
ただし、非課税であることと「いつでも自由に引き出せること」は別問題です。出金のタイミングによっては、制度の恩恵を最大限に活かせない可能性があります。
ちょこちょこ利益を確定させて引き出すのはアリ?
結論から言えば、NISA口座で利益確定を繰り返して引き出すこと自体は制度上問題ありません。非課税期間内であれば、どれだけ回数を重ねても税金はかかりません。
しかし、「ちょくちょく引き出す」戦略にはいくつか注意点があります。それを理解した上で運用することが大切です。
ちょこちょこ引き出すメリット
- 利益確定による安心感:利益をこまめに確定することで、市場の急変に巻き込まれるリスクを減らせます。
- 現金化による自由な使い道:日々の支出やライフイベントに合わせて資金を柔軟に使うことができます。
- 精神的なストレス軽減:大きな含み益が一気に失われる心配が減るため、投資ストレスが軽くなることもあります。
ちょこちょこ引き出すデメリット
- 非課税枠の再利用ができない:一度売却して非課税枠を使った分は、年度内に再び投資しても新たな枠は使えません。売却してしまったら「枠を消費」したことになります。
- 複利効果が薄れる:利益を再投資せず引き出してしまうと、長期的なリターンが減ってしまう可能性があります。
- 手数料やスプレッドの影響:頻繁な取引を行うと、証券会社の手数料や売買価格の差によるコストが重なる場合があります。
たとえば、50万円をNISAで投資して10万円の利益が出た段階で売却し、10万円を引き出したとします。この時点で50万円の非課税枠の一部を消費したことになります。そして再び同じ銘柄に10万円投資しても、それは新たな投資とはみなされ、翌年の非課税枠を使うか、課税口座での取引となります。
新NISA制度での考え方
2024年から始まった新NISA制度では、通算1800万円までの非課税保有限度額と、年間投資枠が増加しています。そのため、以前よりは柔軟に運用できるようになりました。
ただし、非課税で運用できる期間には限りがあるため、長期的な複利効果を得るには、引き出しの頻度はできるだけ抑える方が有利です。
どんな戦略を選ぶべきか?
短期的に資金が必要な人にとっては、ちょこちょこ引き出すのも一つの選択肢です。逆に、資産形成を目的とする人には、なるべく長期間運用を続けることでリターンを最大化する方が望ましいでしょう。
具体的には、以下のように使い分けるのがおすすめです。
- 生活費の補填や旅行資金にしたい:利益確定のたびに引き出してOK
- 老後資金や教育資金として備えたい:なるべく再投資しながら運用を継続
まとめ:引き出しの自由とNISA制度の活用はバランスがカギ
NISAでは、利益確定による引き出しは自由ですが、その分非課税枠が減っていくことや複利の力が弱まるといったデメリットもあります。投資の目的やライフスタイルに合わせて、「使う・貯める」のバランスをとりながら活用していくことが大切です。
特に2024年からの新NISAでは制度が拡充された分、長期的な戦略を意識した使い方が今後ますます重要になります。

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