株式投資において、初心者が最初に意識するのは「いくらで買ったか」という取得単価ですが、ある場面ではそれ以上に「保有株数(枚数)」が重視されるという考え方があります。この記事では、その背景や理由、そして実際の投資シナリオにおいてどのような場面で枚数が重要になるのかを具体例を交えて解説します。
取得単価と枚数、それぞれの意味
まずは用語の整理から始めましょう。取得単価とは、ある銘柄を購入した平均価格のことです。一方、枚数とは保有している株の数を指します。たとえば、ある株を1,000円で100株購入すれば、取得単価は1,000円で枚数は100です。
初心者は取得単価に目がいきがちですが、長期的な視点や資産形成の観点から見ると、枚数が重要となるケースも多いのです。
配当金重視の長期投資では枚数が鍵を握る
たとえば、配当金を目的とした長期投資では、取得単価よりも保有枚数が大切になります。なぜなら、配当金は保有株数に応じて支払われるためです。
具体例として、1株あたり年間50円の配当が出る銘柄を考えたとき、100株保有していれば5,000円、1,000株であれば5万円の配当が得られます。つまり、取得単価が少々高くても、多くの株を保有している方がリターンは大きくなります。
株主優待や議決権などの影響
一部の日本株では、一定の保有株数以上で株主優待がもらえる仕組みがあります。たとえば、500株以上の保有でしか優待を受け取れない企業もあります。その場合、取得単価がいくらかよりも「500株以上持っているか」が重要な判断基準となります。
また、企業の株主総会における議決権も、保有株数に応じて割り当てられるため、経営への関与や意見表明を重視する投資家にとっては枚数が大きな意味を持ちます。
資産形成の成長性と枚数の関係
成長株に投資する際、初期の取得単価よりも「何株持っているか」で将来的な資産価値が大きく変わります。たとえば、100円の株が10倍になって1,000円になったとき、100株では10万円ですが、1,000株では100万円になります。
つまり、銘柄選定が当たったときの爆発力を最大化するためには、できるだけ多くの株数を仕込んでおくことが重要です。これは「テンバガー」と呼ばれる株式投資の代表的な成功例にもよく見られます。
ナンピン戦略と平均取得単価の意味
一方で、取得単価が重要になる場面も当然あります。特にナンピン(株価下落時に買い増して平均取得単価を下げる戦略)を行う場合、単価を意識しないと損失が膨らむリスクもあります。
しかし、ナンピンも「適切な資金管理」と「十分な枚数を確保する前提」があってこそ効果を発揮する戦略です。このように、枚数と取得単価は常に相関しており、どちらか一方に偏った思考は危険だといえるでしょう。
まとめ:枚数と取得単価のバランスが重要
株式投資では「取得単価よりも枚数が大切」とされるケースは確かに存在します。特に配当や株主優待、長期成長を見込んだ投資においては枚数が資産形成の鍵を握ります。
とはいえ、どちらか一方だけを重視するのではなく、目的に応じて柔軟に考えることが重要です。自分の投資スタイルを明確にし、それに適した判断軸を持つことが、着実な資産形成につながるでしょう。

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