確定拠出年金(DC)で「元本保証型」からの再出発:15年間の運用経験から前向きに進むためのステップ

資産運用、投資信託、NISA

「15年ほど 確定拠出年金(DC)を元本保証型で運用してしまい、マッチング拠出もせず後悔している…」という声は、実は決して少なくありません。この記事では、そうした経験をされている方に向けて、制度理解・運用改善・心の整理を含めた前向きな対処法を整理します。

確定拠出年金とは何か・元本保証型選択の背景

まず、DCとは掛金を拠出し、自ら運用し、運用結果に応じて将来の給付額が変わる私的年金制度です。([参照]厚生労働省「確定拠出年金制度の概要」)

運用商品を「元本保証型(預金・保険など)」に選んでいたというのは、リスクを抑えた選択として理解できますが、結果として長期間のインフレや株式市場の成長を取りこめず、運用リターンが低迷する可能性があります。

なぜ「元本保証型」に戻ってしまったのか・マッチング拠出を活用しなかったのか

例として、毎月4,000円を15年積み立て、さらにその後月7,000円に変更されたという方の場合、総拠出額だけ見ると比較的小規模ですが、「複利効果」や「運用リターン差」が大きく作用します。

また、制度として マッチング拠出 を活用しなかったことについては、制度の存在を知らなかった・リスクへの抵抗が強かった・会社制度が未導入だった等の背景が考えられます。([参照]年金総研「マッチング拠出とは」)

「後悔」から「改善」へ:運用戦略を見直す3ステップ

ここからは、今後どう改善していくかを3つのステップで整理します。

  1. 運用商品を見直す:元本保証型ばかりだったなら、株式・債券・インデックス型混合などを検討しましょう。リスクを抑えたバランス型も選択肢になります。
  2. 拠出額と期間の再設定:月7,000円という参入後の拠出額を活かすため、「今から何年運用するか」「どの程度リスクを取るか」をシミュレーションしてみましょう。
  3. 心の向き合いを変える:過去の選択を「取り返せない損」と捉えるのではなく、「学びと資産形成の出発点」と捉えることで、今後の積み立てに前向きになれます。

具体例:運用商品スイッチの検討とそのインパクト

例えば、「元本保証型で年0.5%」の運用では15年後の拠出4,000円×15年=720,000円に対して運用益はわずか数万円程度にとどまる可能性があります。

一方、例えば年率2~3%のリスク資産を一部に取り入れ、残りを安定資産にするバランス運用に切り替えると、同じ拠出期間でも将来受取額に差が出てくるケースがあります。重要なのは「リスクを取りすぎず」「時間を味方につける」ことです。

心の整理:過去を振り返るより、今できることに目を向ける

資産運用で「もっと早く〇〇しておけばよかった」という感覚は誰にでもあります。しかし、過去の決断を責め続けていては、今後の成長の阻害になりかねません。

次のように自分に語りかけてみましょう:
「私は15年間、貯蓄よりも確定拠出年金を続けてきた。これが出発点だ」。この言葉が、改善への第一歩になります。

まとめ

15年にわたって元本保証型で確定拠出年金を運用し、マッチング拠出やリスク運用に踏み切れなかった経験があっても、それ自体が致命的な失敗ではありません。大切なのは、制度を理解し直し、運用商品・拠出額・心の姿勢を見直し、今からでも資産形成を進めることです。

過去の選択を「取り返せないもの」と捉えるのではなく、「次の成長のためのステップ」と捉えて、今できる改善を始めましょう。

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