50代も半ばに差しかかり、老後資金形成に本格的に取り組む人が増えてきました。新NISA・特定口座・iDeCoの3つの制度をどう活用すべきか迷っている方も多いのではないでしょうか。特にiDeCoの拠出限度額が増額された今、特定口座の積立額を見直すべきかは重要な判断です。
iDeCoの拠出額増加の背景と仕組み
2024年からiDeCoの制度が拡充され、企業型DCとの併用条件や個人型iDeCoの拠出限度額が見直されました。サラリーマンの場合、月額2万3000円だった拠出限度額が最大月6万8000円まで可能になるケースもあります。
例えば企業型DCを導入していない中小企業の社員や公務員などは、この恩恵を受けやすくなります。
特定口座との違い:節税効果の比較
iDeCoは掛金が全額所得控除となるため、課税所得が下がり、所得税・住民税を軽減できます。特に年収が高めの人には大きな節税効果があります。
一方、特定口座で積み立てた投資信託の運用益は、20.315%の譲渡益課税がかかるため、長期での税負担を比較するとiDeCoの優位性が際立ちます。
出口戦略で注意すべきポイント:退職所得控除と年金控除
iDeCoのデメリットとしてよく挙げられるのが「出口課税」です。ただし、退職一時金として受け取る場合には退職所得控除、年金として受け取る場合は公的年金等控除が適用されるため、条件によっては税負担が大きくないケースもあります。
例:60歳時点で40年勤務し退職金が2000万円ある場合、iDeCoも退職所得として受け取ると控除の枠を超える可能性があるため、受取方法の工夫が必要です。
「特定口座10万円→iDeCo増額」すべきか?
iDeCoには60歳まで引き出せないという制限があるため、流動性の観点では特定口座より劣ります。しかし節税効果を最大限活用するには、可能な限りiDeCoの拠出額を増やすことが理にかなっています。
例:年収600万円、所得税率20%の会社員がiDeCoを月2.3万円→6.8万円に増額した場合、年間で約10万円以上の節税になります。
シミュレーション:65歳までにどう資産を形成できるか
月10万円の特定口座投資と月6.8万円のiDeCoを併用し、年間リターン4%で運用した場合、65歳時点では以下のような差が生まれます。
制度 | 月額 | 期間 | 最終資産 |
---|---|---|---|
特定口座 | 10万円 | 10年 | 約1470万円 |
iDeCo | 6.8万円 | 10年 | 約1000万円(+節税効果約100万円) |
税金面での差額を加味すると、総合的なリターンではiDeCoの方が優れる場合もあります。
まとめ:iDeCo増額は有力な選択肢、ただし出口対策は忘れずに
50代からの老後資金対策では、節税と資産形成の両面からiDeCoの活用は非常に効果的です。ただし出口で課税が想定されるため、退職金とのバランスや一時金・年金の受取時期をシミュレーションしておくことが大切です。
特定口座を一部減額し、iDeCoに振り分ける判断は、税効率の最適化に繋がる有力な戦略といえるでしょう。

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