間接税と社会的余剰:需要供給モデルで理解する税率と死重的損失の計算方法

経済、景気

経済学を学ぶ上で、税の影響を需要と供給のモデルで理解することは非常に重要です。特に、課税による市場の変化、税収、そして死重的損失の考え方を正しく理解することが求められます。本記事では、需要と供給の具体的な数式を用いて、従量税方式の課税が市場にどのような影響を与えるかを解説します。

課税前の市場均衡を求める

需要関数:D = 400 – 2P、供給関数:S = (1/2)P – 25。この2式を等式で結び、均衡点を求めます。

400 – 2P = (1/2)P – 25 → 両辺に2をかけて:800 – 4P = P – 50 → 850 = 5P → P = 170。これを需要関数に代入すると:D = 400 – 2×170 = 60。

よって、課税前の均衡価格は170円、均衡取引量は60個です。

① 課税前の社会的余剰を計算する

社会的余剰 = 消費者余剰 + 生産者余剰

需要曲線のP切片はP=200(400-2P=0より)、供給曲線のP切片はP=50((1/2)P-25=0より)。

消費者余剰 = (200 – 170) × 60 ÷ 2 = 900、生産者余剰 = (170 – 50) × 60 ÷ 2 = 3,600

社会的余剰 = 900 + 3600 = 4,500

② 税収2,000から1単位あたりの税率tを求める

税収 = t × 取引量。問題文より税収は2,000。

課税後、供給者が受け取る価格をP – tとし、供給関数S = (1/2)(P – t) – 25。

これを需要関数と等式で結ぶ:400 – 2P = (1/2)(P – t) – 25

両辺に2をかけて:800 – 4P = P – t – 50 → 850 + t = 5P → P = (850 + t)/5

取引量Q = 400 – 2P = 400 – 2×(850 + t)/5 = 60 – 0.4t

税収=t × (60 – 0.4t) = 2,000

この式を解く:t(60 – 0.4t) = 2,000 → 60t – 0.4t² = 2,000 → 4t² – 600t + 20,000 = 0

解の公式で求める:t = [600 ± √(600² – 4×4×20,000)] / (2×4) → t ≒ 42.68(t<100条件に合致)

1単位あたりの税率t ≒ 42.68円

③ 課税による死重的損失を求める

取引量は課税後Q = 60 – 0.4t = 60 – 0.4×42.68 ≒ 43.07個。

取引量の減少分=60 – 43.07 ≒ 16.93

死重的損失は三角形の面積で表され、(1/2) × t × 減少取引量

≒ (1/2) × 42.68 × 16.93 ≒ 361.38

死重的損失 ≒ 361.38

まとめ:数式から税の影響を読み解く

この例題では、課税前の社会的余剰が4,500円、課税後の税率はおよそ42.68円、そして課税による死重的損失は約361円であることがわかりました。数式を用いることで、税の導入がどのように経済に影響を及ぼすかを具体的に分析することが可能です。実践的な理解を深めるためには、繰り返し類題を解くことが効果的です。

経済、景気
最後までご覧頂きありがとうございました!もしよろしければシェアして頂けると幸いです。
最後までご覧頂きありがとうございました!もしよろしければシェアして頂けると幸いです。
riekiをフォローする

コメント

タイトルとURLをコピーしました