ロッキード・マーチン株が戦争中でも上がらない理由とは?軍需株の本当の見方を解説

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ロシア・ウクライナ戦争や中東情勢の不安定化により、軍需関連株に注目が集まっています。特に米国最大手の防衛企業であるロッキード・マーチン(Lockheed Martin)は、戦闘機F-35などで知られる有力企業ですが、思ったほど株価が伸びていないと感じる投資家も多いのではないでしょうか。本記事では、その理由と背景を多角的に解説します。

軍需株は戦争で必ず上がるとは限らない

一般的に「戦争が起きれば軍需株が上がる」という見方がありますが、それは必ずしも正確ではありません。株価は業績や配当、将来の期待などを総合的に織り込んで形成されるため、戦争=株高という単純な構図では動かないのが実情です。

たとえば、戦争が長期化しても予算が議会で承認されない場合、企業の売上がすぐに増加するとは限りません。また、供給網の混乱や納期遅延が企業業績の足を引っ張ることもあります。

ロッキード・マーチンの業績と株価推移

ロッキード・マーチンは2022年以降も堅実に受注を積み重ねています。特にF-35やミサイル防衛システムなどの受注は好調ですが、株価は一時的な上昇後、横ばい〜調整局面に入ることが多いです。

その理由の一つに、「株価はすでに期待を織り込んでいた」という点が挙げられます。戦争勃発のニュースが出た直後に株価が跳ね上がり、その後は材料出尽くしで調整するというのは、よくある動きです。

配当や自己株買いでの株主還元も注目点

ロッキード・マーチンは安定した配当政策と定期的な自社株買いを行っており、株主還元に積極的な企業です。2025年現在、配当利回りは約2.7%前後を維持しており、長期保有を前提とした「インカム狙い」の投資家には魅力的な銘柄といえるでしょう。

短期の値動きに一喜一憂するよりも、四半期ごとの業績発表や契約の内容、政府の国防予算の動向に注目することで、より長期的な視点で判断できます。

株価が上がらない背景:市場全体の環境も影響

2022年以降、米国市場は金利上昇・インフレ・地政学リスクといった不確実性が重なっており、特定セクターに資金が集中しづらい相場でした。ロッキードのようなディフェンシブ銘柄は、むしろ金利上昇局面では割安と判断されにくくなる傾向もあります。

また、GAFAや半導体などグロース系への資金流入が優先されやすいため、軍需関連が後回しになる局面も少なくありません。

実際の株価チャートで見る動き

ロッキード・マーチン(LMT)の株価は、2022年2月の戦争開始直後に大きく上昇した後、数カ月間にわたって横ばいもしくは下落基調を辿っています。

このように、「戦争=即株高」ではなく、「戦争=業績拡大の可能性→将来の株高」というタイムラグを理解する必要があります。

今後の注目ポイント:国防予算と新契約

米国政府の国防予算は年々増加傾向にあり、その恩恵を受ける企業としてロッキードは今後も有望です。特に、F-35や高性能ミサイル、宇宙開発関連の契約がどのように増えていくかが、今後の株価のカギを握ります。

また、同業他社(レイセオン、ノースロップ・グラマンなど)との相対的な比較も参考になります。

まとめ:ロッキード株の動きは「長期視点」で見るべき

ロッキード・マーチン株が短期で大きく上がらない背景には、「期待の織り込み済み」「市場環境の影響」「予算実行のタイムラグ」など複数の要因があります。

短期的な株価よりも、長期的な事業成長や安定配当、契約状況に目を向けることで、より堅実な判断ができるはずです。

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