トレードを続けていると、「あとほんの少しで損切りされていた」というギリギリのラインで踏みとどまり、結果的に利益に転じた経験がある人も多いのではないでしょうか。特に損切りを直近高値や安値の“わずか外側”に設定したことで救われたケースはよく耳にします。本記事では、なぜそのような現象が起きるのか、またそれが有効な損切り戦略なのかを、具体例を交えながら解説していきます。
なぜ損切りは直近高安付近に集中しやすいのか
テクニカル分析を用いる多くのトレーダーが、直近の高値や安値を損切りラインに設定するため、その付近は“注文の密集地帯”になりやすいです。結果として、価格がそのゾーンを一瞬だけ抜けた後に反転する、いわゆる「ダマシ」のような動きが頻発します。
この動きは短期の仕掛けによって発生しており、大口やアルゴリズムがストップ狩り(ストップハント)を仕掛けているとも言われています。つまり、そこを“ほんの少し”だけ外した位置に損切りを置くことが功を奏すケースがあるのです。
「ギリギリで刈られずに利益になる」現象はよくある
実際のトレードにおいて、「直近安値の5pips下に損切りを置いたら助かった」「高値の10円上で止めたら反転した」といった経験は珍しくありません。これは相場に一定の“揺らぎ”や“誤差”が常に存在するため、ピンポイントのラインだけでは足りないことを示しています。
相場は意図的にきれいな高安を狙いに行く傾向があるため、損切りラインをその少し外側にずらすことで、ポジションが無駄に刈られるリスクを回避できるのです。
ただし、広げすぎるとリスク管理が崩壊する
損切り幅を広げることは、確かに「刈られるリスク」を下げる手法ですが、当然その分損失許容額は大きくなります。つまり、リスクリワードが悪化するリスクがあります。
たとえば、エントリーから直近安値までが20pips、さらにその外側5pipsに損切りを設定すると、トータル25pipsの損失リスクになります。この5pipsを確保する意義と、追加リスクを天秤にかけて判断すべきです。
損切り位置の決め方は「意図」を持って設定する
損切りを「どこに置くか」ではなく、「なぜそこに置くか」が極めて重要です。闇雲に“ちょっと広げる”だけでは戦略性がなく、むしろ損が増えるだけになる恐れがあります。
価格帯の厚み、出来高、過去の反発履歴などを分析した上で、「このラインを抜けたら自分のシナリオは崩れた」と納得できる場所に損切りを設定することが、トレード全体の安定につながります。
実例:EUR/USDトレードでの損切り設計
あるトレーダーがEUR/USDでロングポジションを取り、直近安値の1.0850に注目していたとします。そこで1.0845に損切りを置くことで、1.0850でストップを入れていた層と距離を取り、ストップ狩りから逃れられたという事例があります。
結果として価格は1.0851で反転上昇し、1.0900まで伸びて利確できたとのこと。こうした“ほんの少し”の判断がトレード結果を左右する好例です。
まとめ:損切りの“少し外”は戦略的に有効。ただし条件つき
直近高安のわずか外に損切りを設定することは、多くのトレーダーが実践しており、実際に“ギリギリで刈られずに利益になった”ケースも数多くあります。これは相場の構造と心理を反映した合理的な手法とも言えます。
ただし、その分リスク許容度が広がる点には十分注意が必要です。損切り設定には一貫した根拠と戦略性が不可欠であり、「なんとなく広げる」ではなく、トレード全体のリスクリワードや資金管理と照らし合わせて最適化する必要があります。

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