完全競争市場と独占市場におけるP=MCとMR=MCの違いを解説

経済、景気

経済学でよく見られる「P=MC」と「MR=MC」の関係について、完全競争市場と独占市場の違いに焦点を当てて分かりやすく解説します。この疑問を解決するために、基本的な概念から具体的な事例までを順を追って説明します。

完全競争市場とは?

完全競争市場とは、多くの企業が競い合い、市場における商品の価格が需要と供給のバランスによって決まる市場のことを指します。この市場では、個々の企業が価格決定に影響を与えることはなく、価格は市場全体で決定されます。企業は価格を受け入れる「価格受容者」として行動し、無限に近い数の競争相手と競争します。

P=MCの理由

完全競争市場では、企業は自社の利益を最大化するために、生産量を決定します。利益最大化のための条件は、限界費用(MC)と価格(P)が一致することです。なぜなら、価格(P)は市場で決まるため、企業はその価格で商品を提供するしかなく、その価格で生産する限界費用と一致させることが最も効率的だからです。もしPがMCより大きければ、生産量を増やすことで利益が増加します。逆にPがMCより小さければ、生産量を減らすことが最適となります。結果として、P=MCという関係が成立します。

独占市場とは?

独占市場は、1社が市場を支配している状況です。この企業は価格設定に大きな影響を与えることができ、市場の価格を決定します。つまり、独占企業は「価格設定者」としての役割を果たします。

MR=MCの理由

独占企業は、自社の価格と生産量を決定する際、限界収入(MR)と限界費用(MC)が一致する点で生産量を決めます。なぜなら、独占企業は市場で唯一の供給者であるため、価格を引き上げることで売上を増加させることができますが、売上増加分が限界費用とバランスをとるところで利益を最大化するからです。MR(限界収入)は、価格を引き上げるために必要な売上の増加分を表しており、MC(限界費用)は生産を1単位増やすことにかかるコストを表します。このため、独占市場では、MR=MCが成立することになります。

完全競争市場と独占市場の違い

完全競争市場では、企業は市場価格を受け入れるだけで、自ら価格を決定することはありません。したがって、P=MCという関係が成り立ちます。対して、独占市場では企業が価格を決定できるため、利益を最大化するためにはMR=MCという関係が必要になります。

要するに、完全競争市場では価格が市場によって決まるため、価格が限界費用と一致するのに対し、独占市場では企業が価格を決定するため、限界収入と限界費用が一致するところで生産量を決定します。

まとめ

完全競争市場と独占市場では、利益最大化のための生産量の決め方が異なります。完全競争市場では、企業は市場で決まった価格に基づき、生産量を決定し、P=MCが成り立ちます。一方、独占市場では、企業が価格を決定するため、MR=MCの関係で生産量を決定します。この違いを理解することで、経済学の基本的な市場構造をより深く理解することができます。

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