新NISAの成長投資枠で購入した株式や投資信託が短期間で大きく値上がりすると、「今売った方が良いのでは?」と迷う人も多いでしょう。たしかに16%の含み益は魅力的ですが、長期投資を前提に設計されたNISA制度では、売却の判断に慎重になるべき理由があります。今回は、成長枠で含み益が出た場合の売却判断について、投資の基本と制度の仕組みを踏まえてわかりやすく解説します。
新NISAの本質は「非課税での長期保有」
新NISA制度では、投資によって得られた利益(値上がり益や配当)が非課税になります。この「非課税枠」は一度売却すると再利用できないため、売却=非課税枠の消滅を意味します。
つまり、一度売却して利益を確定してしまうと、同じ非課税のメリットを再度得ることができず、次の投資は課税対象になります。長期的に見ると、この違いは大きなインパクトとなります。
短期で売るメリットとデメリット
もちろん、市場が高騰して「利益確定をしたい」「急に現金が必要になった」などの理由があれば売却は有効な選択肢です。
しかし、短期で売却した場合、再び投資するには課税口座を使う必要があるか、残った新NISAの投資枠を使うしかありません。非課税期間の長さ=時間を味方にできる武器である以上、売却は慎重に検討するべきです。
複利と時間の力を活かす「長期投資」
たとえば、年率6%で運用し続けた場合、100万円は10年で約179万円、20年で約320万円になります。これが非課税で運用できるのがNISAの最大の利点です。
16%の含み益で売ってしまうと、それ以上の成長のチャンスを手放してしまう可能性があります。一時的な利益よりも、非課税の長期運用の恩恵を考えると、保有継続のメリットは大きいです。
実例:長期運用で資産がどう増えるのか?
たとえば、100万円を2020年にS&P500インデックスファンドで運用し、年率平均8%で複利運用していた場合、2024年には約136万円になります。これを売らずに2040年まで保有し続ければ、約400万円近くまで成長します(税引き前)。
新NISAは非課税なので、この成長分すべてを手元に残せます。途中で利益確定してしまうと、この「時間による複利効果」をフルに活かせません。
売却を検討すべきケースとは
・将来の出費が近く確定しており、現金化の必要がある
・銘柄自体にリスクや悪材料が生じており、長期保有に向かない
・目標金額に達したため、戦略的に利益を確定したい
これらのように「戦略的な売却」であれば問題ありません。ただし、「上がったから売る」だけではNISAの制度設計に逆行します。
まとめ:含み益が出ても、まずは冷静に
・新NISAは長期非課税のメリットを活かす制度。
・短期で売却すると非課税枠が消滅する。
・複利と時間による資産成長の力は想像以上に大きい。
・売却は必要性や戦略があってこそ有効。
今後の人生設計や資産形成の目標と照らし合わせて、「いま売るべきか」「持ち続けるべきか」を慎重に判断することが、新NISA運用の最大のポイントです。

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