投資信託を積み立てていて、ふと売却画面を見たときに「資産合計よりも売却金額が少ない?」と疑問に感じた方は少なくないでしょう。この記事では、全世界株式インデックスなどの投資信託で起こりやすい“評価額と売却額の差”について、理由と具体例を交えて解説します。
評価額と売却額はなぜ違うのか?
まず大前提として、証券口座で表示される「資産合計額(評価額)」と、実際に売却したときに受け取れる「売却額」は必ずしも一致しません。これは以下のような要因によるものです。
- 信託報酬などのコスト
- 基準価額の変動と注文タイミングのズレ
- 売却手数料や税金(対象商品の場合)
この差は投資信託の構造上避けられないものであり、想定しておくことが大切です。
基準価額と注文タイミングのギャップに注意
投資信託は「リアルタイム価格」で売買できるわけではありません。たとえば、今日の午前中に売却注文を出したとしても、約定するのはその日の基準価額が反映される翌営業日です。
この間に市場が下落すれば、表示されていた評価額よりも実際の売却額が減ってしまうことがあります。たとえば、154,652円が評価額だったとしても、基準価額が1~2%下がれば売却額は146,000円台になる可能性もあるのです。
手数料や信託報酬はどこで引かれる?
投資信託では購入時手数料は無料のものが多いですが、運用中は「信託報酬」という形で管理費用が日々差し引かれています。これは基準価額にあらかじめ反映されているため、目に見えづらいものです。
また、一部の商品では売却時に信託財産留保額が差し引かれる場合もあります。これも評価額とのズレを生む要因のひとつです。
為替レートの影響も見逃せない
全世界株式インデックスは、外国株式が多く含まれるため、為替変動も売却額に影響します。特に円高に動いたタイミングでは、評価額が想定以上に下がる可能性があります。
たとえば、1ドル=150円の時に保有していた海外株が、売却時に145円になっていれば、為替差損によって円ベースの評価額が減少するのです。
具体的なシミュレーション
仮に、ある投資信託で154,652円の評価額が表示されていたとします。翌営業日の基準価額が1.5%下落し、さらに為替の影響で0.7%の円高が進んだとすると、合計で2.2%のマイナスになります。
この場合、実際の売却額は約146,280円ほどとなり、表示額よりも8,000円近く少なくなることもあるのです。
まとめ:売却額の差は“正常な現象”として理解しよう
評価額と売却額の差は、多くの場合、注文のタイミングや市場変動、為替、コストによって生じるものです。決して運用が失敗しているわけではなく、投資信託特有の仕組みによる正常な現象だと言えます。
焦って売却せず、余裕を持った長期目線で積み立てていくことが、資産形成の王道です。

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