マンデル=フレミングモデルは、開放経済における総需要、貨幣市場、そして外部経済との関係を分析するための重要な枠組みです。このモデルにおけるIS、LM、BP曲線の動きは、経済政策の効果を理解するために欠かせません。本記事では、為替レートの変動がLM曲線にどのように影響を与えるか、そしてそのシフトの方向について詳しく解説します。
マンデル=フレミングモデルの基本構造
マンデル=フレミングモデルは、IS曲線、LM曲線、そしてBP曲線の3つの基本的な曲線を用いて開放経済の動きを表現します。具体的には、IS曲線は総需要の関係を示し、LM曲線は貨幣市場の均衡を示し、BP曲線は経常収支と金融収支の均衡を示します。
これらの曲線は、経済の均衡を示すために互いに影響し合い、為替レート、利子率、国民所得の変動をどのように説明するかを分析するための基盤を提供します。
IS曲線と為替レートの関係
IS曲線は、経済全体の産出量(国民所得Y)と利子率(r_A)との関係を示しています。この曲線の位置は、消費、投資、政府支出、そして経常収支(CA(e,Y))に依存しています。為替レート(e)が上昇すると、経常収支が改善し、国民所得Yが増加します。これにより、IS曲線が右にシフトすることになります。一方、為替レートが下落すると、経常収支が悪化し、IS曲線は左にシフトします。
この関係から、為替レートが変動することがIS曲線のシフトに直接的な影響を与えることがわかります。
LM曲線と為替レートの関係
LM曲線は、貨幣市場の均衡を示す曲線であり、国民所得Yと名目利子率r_Aの関係を表しています。LM曲線は、実質貨幣供給量(M/P)と貨幣需要(L(Y,r_A))が等しいときに形成されます。この曲線は、貨幣市場のバランスを保つために、利子率と国民所得がどのように調整されるかを示します。
為替レートの変動がLM曲線に与える影響を理解するためには、貨幣市場への影響を考慮する必要があります。為替レートが上昇すると、輸出が増加し、国民所得Yが増えるため、貨幣需要が増加する可能性があります。しかし、貨幣供給量が一定である場合、貨幣市場の均衡を保つためには利子率が上昇し、LM曲線が左にシフトすることになります。
為替レートの変動によるLM曲線のシフトの方向
為替レート(e)の変動がLM曲線に与える影響をより具体的に考察します。まず、為替レートが上昇した場合を考えます。為替レートが上昇すると、輸出が増加し、国民所得Yも増える可能性があります。これにより、貨幣需要が増加します。貨幣供給量が一定である場合、貨幣市場の均衡を保つためには利子率が上昇し、LM曲線は左にシフトします。
逆に、為替レートが下落した場合、輸出が減少し、国民所得Yが減少する可能性があります。これにより、貨幣需要が減少し、貨幣供給量が一定であれば利子率が低下し、LM曲線は右にシフトすることになります。
まとめ:為替レートの変動とLM曲線のシフト
マンデル=フレミングモデルにおいて、為替レート(e)の変動はIS曲線には直接的な影響を与え、為替レートの上昇はIS曲線を右にシフトさせ、下落は左にシフトさせます。一方、LM曲線への影響は間接的であり、為替レートが上昇するとLM曲線は左にシフトし、下落すると右にシフトします。
このように、為替レートの変動はIS曲線とLM曲線の両方に影響を与えるため、経済全体の均衡を理解するためには、それぞれの曲線の動きを総合的に分析することが重要です。
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