最近話題の「ドル建て一時払い生命保険」は、年利4%以上の利回りに惹かれる方も多いですが、その裏には数多くのリスクが潜んでいます。ここでは、ネガティブ要因にフォーカスし、契約前に知っておくべき注意点を具体的に紹介します。
為替リスク:円高局面では大きな損失に
ドル建て商品で最も大きなリスクが為替変動です。契約時のレートよりも円高になると、満期時に受け取る円換算額が大幅に目減りする可能性があります。
例えば、1ドル=150円で契約し、満期時に1ドル=120円になると、利息を含めても元本割れのケースが生じ得ます。
為替手数料・両替コストが重い
ドル建て商品では、契約時・解約時・利息受取時にそれぞれ為替手数料が発生する場合があります。
仮に1ドルあたり往復で2円のスプレッドがあると、100万円分で約1万3,000円以上のコストがかかることも。
中途解約リスク:元本割れの可能性が高い
ドル建て一時払い保険は、契約後すぐに解約すると「解約控除」が大きく、元本の半分以下しか戻らないケースもあります。
特に3年未満での解約は、利回り以前に損失確定になることが多く、60%以上の高い解約率が問題視されています。
インフレ・金利変動による相対的な利回り低下
契約時の金利が高く見えても、将来さらに高金利の金融商品が出現すれば、相対的に見劣りすることになります。
固定利回りであっても、インフレで購買力が下がると実質利回りは低下します。
保険本来の機能が限定的:保障は最低限
この商品は「保険」の形を取りながら、実態は貯蓄型金融商品です。死亡保障などはおまけ程度で、手厚い保障がほしい方には向きません。
「万が一」の際に期待していた保障額が思ったより少なく、誤解されがちです。
外貨建て特有の複雑性:説明不足リスク
金融リテラシーが高くない方にとって、為替・金利・保険制度の理解は難しく、販売側が説明不足に陥りやすい商品でもあります。
特に高齢者などが勧誘されやすく、消費者庁でも苦情やトラブルが報告されています。
まとめ:魅力の裏には“見えにくいコスト”と“出口リスク”が潜む
① 円高になれば元本割れの可能性がある
② 為替手数料や解約控除で実質利回りが目減り
③ 一度契約すると簡単には引き出せない
④ 死亡保障などの保険機能は最低限
⑤ 情報の非対称性により誤認リスクがある
このように、ドル建て一時払い生命保険には多くのリスクが存在します。高金利の数字だけに惑わされず、総合的な視点で判断することが重要です。

こんにちは!利益の管理人です。このブログは投資する人を増やしたいという思いから開設し運営しています。株式投資をメインに分散投資をしています。
コメント