確定拠出年金（DC）制度の中で利回りの差が大きくなるのは珍しいことではありません。特に企業型DCを活用している場合、運用商品の選定と資産配分のバランス次第で年5％か15％かという違いが生じます。今回は、第一生命の確定拠出年金において利回り向上のために意識したい商品選びと今後の世界経済のリスクを踏まえた戦略を解説します。
現在のポートフォリオを分析してみる
「三井住友・バリュー株式年金63％」「DIAM外国株式インデックス37％」という組み合わせは、バリュー株重視の国内偏重型とも言えます。近年は成長株（グロース株）や海外市場がパフォーマンスを牽引しているため、やや保守的な組み合わせとも解釈できます。
たとえば2023〜2024年にかけては、米国のハイテク株中心のインデックス（S&P500やNASDAQ100など）が高い利回りを記録しています。国内株は日経平均やTOPIXで上昇しているものの、個別商品によって差があります。
他の人が高利回りを出している理由とは？
15％以上の利回りを得ている人の多くは、外国株インデックスやセクター特化型（IT・ヘルスケアなど）商品を多く組み入れている傾向があります。特に米国株は近年AI関連や大型テック企業が成長をけん引し、世界の投資マネーが集中しています。
また、リスクをとってリターンを狙う姿勢（積極型ポートフォリオ）をとっている人が多く、株式比率を80％以上に設定しているケースもあります。反対に、債券比率が高いと市場変動に強いものの、利回りは抑えられがちです。
トランプ政権・関税リスクと外国株の扱い方
トランプ前大統領が再び政策主導権を握ると予想される状況下では、関税強化や保護主義的経済政策による影響を考慮する必要があります。ただし、米国株すべてが下落するとは限らず、内需企業や軍需産業などに資金が流れる可能性もあります。
外国株インデックスは広範な市場に分散されているため、一定の防御力があります。関税発動後に全体的な調整局面が来たとしても、中長期では回復する可能性が高いため、積立投資を続けることは基本戦略として有効です。
商品選びのポイントと見直しの目安
確定拠出年金では以下のような観点で見直しを行うとよいでしょう。
- 信託報酬が低い（インデックス型を優先）
- 長期で安定したリターンがある
- 国内外の分散がなされている
- リスク許容度に応じた株式比率
第一生命のDC商品ラインナップの中では、たとえば「海外株式インデックスファンド（MSCI Kokusai連動）」などが過去実績の高い商品として知られています。資産の30〜50％程度を外国株に振り分けるのは一つの選択肢です。
他人の利回りに振り回されない姿勢も重要
他人の利回りは参考程度に留め、自分のリスク許容度や目的にあった運用を心がけることが長期では大切です。特に確定拠出年金は20年以上のスパンで資産形成をする制度であり、短期のリターンに一喜一憂するより、定期的なリバランスと積立継続が重要です。
また、保守的な運用を望む場合には、定期預金・国内債券などの組み合わせも可能です。
まとめ：利回り向上には分散と見直しが鍵
第一生命の確定拠出年金で利回りを高めるには、海外株式インデックスの活用や、成長分野への資金配分、信託報酬の低いファンド選定がポイントとなります。経済情勢の変化にも柔軟に対応しつつ、自身の投資方針に沿ったバランスある資産運用を続けましょう。
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