確定拠出年金(DC)で運用益が過去最高に達した場合、多くの方が「今売却すべきか?」と悩む局面に直面します。特に50代という退職までの時間が限られる年代では、利益確定の判断が将来の資産形成に大きな影響を及ぼすこともあります。本記事では、確定拠出年金の運用益をどう判断し、見直すべきかを具体的に解説します。
確定拠出年金の基本と「売却」の意味
確定拠出年金は、自らが運用方針を決定し、60歳以降に年金または一時金として受け取る制度です。ここで言う「売却」とは、運用商品(たとえば投資信託)をスイッチングして、安全資産(元本確保型)に切り替えることを指します。
注意点として、確定拠出年金では運用益を確定しても現金化できるのは原則60歳以降です。そのため「今利益確定して使いたい」というわけではなく、資産配分の調整によって将来のリスクを軽減するという目的になります。
利回り9.6%は確かに魅力的だが、続くとは限らない
利回り9.6%という成績は非常に好調な運用状態です。ただし、この利回りは一時的な株高や景気状況、為替相場などの影響によるものかもしれません。
たとえば、2020年から2021年にかけての米国株の上昇局面では、多くの投資信託が年率10%以上のパフォーマンスを記録しました。しかしその後、インフレや金利上昇で株価が調整に入ったことで、評価額が下がった人も少なくありません。
50代からの資産配分の見直しが重要
50歳を過ぎると、確定拠出年金のリスク許容度を少しずつ下げていくことが一般的です。資産を守るフェーズに入るため、ハイリスクな株式中心の運用から、債券型や元本確保型へのシフトを検討する時期と言えます。
具体的には、現在の資産のうち一部を定期預金や保険型商品へスイッチングすることで、評価損リスクを抑えつつも、全体のバランスを保つことができます。たとえば「半分だけ元本確保型にして、残りを継続投資」というような戦略も有効です。
「元本割れしない商品」に切り替える選択肢
元本確保型の商品には定期預金タイプや保険タイプのものがあり、安定した利息は得られるものの、インフレリスクや運用益が極めて小さい点に注意が必要です。
そのため、一気に全額を元本確保型に変えるのではなく、段階的に移行することをおすすめします。また、退職までの年数に応じて「目減りしないことを重視するか」「少しでも増やすことを優先するか」の判断軸が変わります。
実際の判断にはライフプラン全体の見直しが必要
退職後の生活設計や年金受給開始時期、他の資産状況も含めて総合的に判断することが大切です。金融機関のDCアドバイザーやファイナンシャルプランナーに相談するのも一つの手段です。
たとえば、住宅ローンの有無、退職金の見込み額、公的年金の受給見込みなども含めて、ポートフォリオを最適化していく必要があります。
まとめ:利益確定は「今すぐ」ではなく「戦略的に」
確定拠出年金で高利回りを記録している場合でも、安易にすべてを売却して安全資産に切り替えるのではなく、退職時期までの運用期間を踏まえた戦略的な資産配分の見直しが重要です。
50代からの資産運用では「減らさない工夫」と「増やす余地のバランス」が鍵を握ります。自身のリスク許容度とライフプランに合った選択を行いましょう。

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