株式投資において「暴落」は多くの投資家にとって恐怖の対象ですが、一部の長期投資家にとっては絶好のチャンスでもあります。特に高配当株を中心としたポートフォリオを保有している場合、評価損益がマイナスでも資産が実質的に増加するという現象が起こり得ます。本記事では、このような投資手法の仕組みとそのメリット、注意点について詳しく解説します。
高配当株の長期保有がもたらすメリットとは
高配当株とは、企業の利益の一部を安定的に配当に回すことで知られる銘柄群のことを指します。たとえば、インフラ系企業、商社、金融機関などが該当します。こうした株を長期保有することで、株価の値上がり益に頼らずともインカムゲイン(配当収入)を得ることができます。
実際に、毎年配当を受け取りながら再投資することで複利の効果が働き、保有期間が長くなるほど資産形成のスピードは加速します。
暴落時にナンピン買いを活用する戦略
ナンピン買いとは、株価が下落した際に追加で買い増す手法です。暴落局面では優良銘柄でも一時的に大きく値下がりすることがあり、定期的に貯めていた余剰資金をここで投入することで、平均取得単価を下げられます。
たとえば、ある銘柄を1000円で保有していた場合、700円まで下落したタイミングで買い増せば、保有単価が850円になるなど、将来的な回復時の含み益が大きくなります。
評価損益がマイナスでも資産は増えている?
ナンピン後も一時的に評価損益がマイナスになっている状態でも、保有株数は増えており、配当収入も比例して増加します。たとえば、配当利回り5%の銘柄を10万円分保有していた場合、年間で5,000円の収入となりますが、買い増して20万円分保有すれば1万円に増えます。
このように、評価額が下がっていても実際のキャッシュフローは向上しているため、資産全体の健康状態は改善していると見ることができます。
評価損益がマイナスのままだと税金がかからないメリット
株式の売却益には通常20.315%の譲渡所得税がかかりますが、評価損益がマイナスであれば当然ながら課税対象とはなりません。配当収入には課税されるものの、売却していない限り含み益に対して税金は発生しないという点は大きな利点です。
そのため、値上がり益に依存せずとも「非課税で資産が積み上がる」環境が作れるのは、長期投資家にとっては理想的な状態と言えるでしょう。
リスクと注意点:ナンピンは万能ではない
一方で、ナンピンにはリスクも伴います。以下のような点には注意が必要です。
- 業績悪化や減配リスクを見極めずにナンピンすると、損失が拡大する恐れがある
- 資金管理が甘いと暴落時にナンピン余力がなくなる
- 分散投資を怠ると特定銘柄の影響を強く受けやすくなる
したがって、ナンピンを行う際は、財務内容の良い企業を厳選し、ポートフォリオ全体のバランスを意識する必要があります。
まとめ:評価損益だけで判断しない資産形成の視点
暴落を利用したナンピン戦略は、正しい知識とリスク管理のもとで行えば、長期的な資産形成に大きな効果をもたらします。評価損益がマイナスであっても、配当収入が増え、株数が積み上がり、しかも含み益に税金がかからない――この仕組みを理解することで、見かけの損失に惑わされない堅実な投資行動が可能になります。
「資産の質」と「収益の構造」に着目した投資スタイルで、市場の波に左右されない投資家を目指しましょう。

こんにちは!利益の管理人です。このブログは投資する人を増やしたいという思いから開設し運営しています。株式投資をメインに分散投資をしています。
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