日本の税制優遇を活かして資産を増やす方法として、NISA(少額投資非課税制度)とiDeCo(個人型確定拠出年金)は非常に人気があります。しかし、どちらを選ぶべきか、または併用するべきかは、個々の状況により異なります。この記事では、55歳、年収550万円、月10万円を投資に回せる方を想定し、NISAとiDeCoの運用シミュレーションをもとに、それぞれのメリット・デメリットを詳しく解説します。
1. NISAとiDeCoの基本的な違い
まず、NISAとiDeCoにはそれぞれの特徴があります。
- NISA:年間の投資額に対して一定額(2023年現在で120万円まで)を非課税で運用できる制度。投資対象は株式、投資信託など多岐にわたる。
- iDeCo:年金の積立型制度で、掛け金は全額所得控除され、税制優遇が得られる。また、運用益も非課税だが、原則として60歳まで引き出せない。
両者は税制優遇が異なるため、目的に応じて使い分ける必要があります。iDeCoは長期的な年金の積立を目的に、NISAは投資による資産形成を目的に利用されることが多いです。
2. iDeCoとNISAを併用するシミュレーション
質問者が行ったシミュレーションをもとに、iDeCoとNISAを併用するケースを見てみましょう。
月々23,000円をiDeCoに積立て、5%の運用利率で10年間運用した場合、掛け金の節税効果は41万円、運用益は81万円となり、合計122万円の利益が得られる計算となります。
さらに、残りの77,000円をNISAで運用すると、5%の利率で10年間で運用益272万円となります。この場合、iDeCoとNISAを併用した総利益は394万円となり、単独でNISAだけに投資した場合の353万円を上回ります。
3. NISAとiDeCo併用のメリットとデメリット
併用することの最大のメリットは、税制優遇を最大限活用できる点です。iDeCoでは所得控除を受けつつ、運用益を非課税で得ることができ、NISAでは運用益が非課税となるため、二重の税制優遇を享受できます。
しかし、iDeCoには60歳まで引き出せないというデメリットがあります。短期的な資産形成を目指す場合には、流動性が低くなるため注意が必要です。また、iDeCoの掛け金は年額81,000円まで(2023年現在)と制限がありますので、高額な積立を行う場合にはNISAとの併用が有効です。
4. 投資に回せる金額と運用期間を考慮した選択
質問者のように、毎月10万円を投資に回せる場合、iDeCoで掛け金を抑えても残りの金額をNISAで運用することが可能です。iDeCoで毎月23,000円を積み立てた後、残りの77,000円をNISAで投資に回すことで、税制優遇を最大化しながら、運用益を高めることができます。
また、運用期間が10年と長期にわたる場合、5%の運用利率でも着実に資産が増加します。このように、長期運用を前提とするなら、併用して最大限の利益を狙うことが賢い選択と言えるでしょう。
5. まとめ|NISAとiDeCo併用で最大限の税制優遇を得る
NISAとiDeCoの併用は、税制優遇を最大化し、より効率的に資産形成を行うための有力な方法です。質問者が行ったシミュレーションでは、併用することで大きな利益が得られることがわかります。しかし、iDeCoには60歳まで引き出せないという制限があるため、長期運用を前提にすることが重要です。
自分の投資目的やライフプランに合わせて、NISAとiDeCoをうまく使い分けることが、資産形成を成功させる鍵となります。今後の運用においても、定期的にシミュレーションを行い、最適な投資戦略を立てていきましょう。
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