2008年に発生したリーマンショックは、世界的な金融危機を引き起こし、多くの投資家が大損を経験しました。特に、投資信託を保有していた人々の中には、大幅な資産の下落を目の当たりにした人も多かったです。しかし、当時の投資信託を売らずに持ち続けた場合、今では損失を取り戻せていたのでしょうか?本記事では、リーマンショックと投資信託の関係について詳しく解説します。
リーマンショックとは?
リーマンショックは、2008年9月に米国の大手投資銀行であるリーマン・ブラザーズが破綻したことをきっかけに発生した金融危機です。サブプライムローン問題を発端として、世界の金融市場が急落し、多くの企業が経営危機に陥りました。
この影響で、株式市場も大暴落し、多くの投資信託の価値が大幅に下がりました。特に、米国株や金融関連の投資信託を持っていた投資家は、大きな損失を被ることになりました。
リーマンショック時の投資信託の値動き
リーマンショックによって、主要な株価指数は大きく下落しました。
- NYダウ平均:2007年10月の最高値14,000ドル台から、2009年3月には6,600ドル台まで約50%の下落
- 日経平均株価:2007年の18,000円台から2009年3月には7,000円台まで下落
- S&P500:2007年の約1,500ポイントから2009年には約670ポイントまで下落
当然ながら、これらの指数に連動する投資信託も大きな影響を受け、基準価額が大幅に下がりました。
投資信託を売らずに持ち続けた場合の結果
リーマンショックの影響で、投資信託を売却した投資家の中には、大きな損失を確定させた人も多くいました。しかし、投資信託を売らずに持ち続けた場合、どうなったのでしょうか?
1. その後の市場回復
リーマンショック後、各国の中央銀行は金融緩和策を実施し、経済の立て直しが図られました。その結果、株式市場は徐々に回復し、2020年代に入ると、リーマンショック前の水準を大きく超える成長を遂げました。
例えば、NYダウ平均は2021年には35,000ドルを突破し、S&P500も4,000ポイントを超える水準に達しました。もしリーマンショック時に投資信託を売らずに持ち続けていた場合、現在では大きなリターンを得られていたことになります。
2. 投資信託の中身による違い
投資信託の種類によっては、リーマンショック後に回復できなかったものもあります。
- インデックスファンド(S&P500や日経平均に連動するもの):持ち続けていれば大きく回復
- 金融関連株中心の投資信託:破綻した企業が多く、回復できなかったものもある
- ハイリスクな債券ファンド:信用リスクの高い債券を組み入れたファンドは価値がゼロになったものもある
したがって、「持ち続けていれば損をしなかった」とは一概には言えず、投資信託の種類によって結果が異なります。
投資会社が潰れたらどうなる?
「投資の会社が潰れたら株式が紙くずになるのか?」という点についても解説します。
1. 投資信託の資産は信託銀行が管理
投資信託は、証券会社や運用会社が運営していますが、実際の資産は「信託銀行」が管理しているため、運用会社が破綻しても基本的には資産が保全されます。
2. 保有している企業の株価がゼロになる可能性
ただし、投資信託の中に組み入れられている企業が倒産した場合、その株式の価値はゼロになる可能性があります。例えば、リーマンショック時には、リーマン・ブラザーズやAIGのような金融機関が大きなダメージを受けました。その影響で、金融系の個別株に投資していたファンドは、回復が難しくなりました。
長期投資の視点で考える
リーマンショックは、短期的には市場に大きな打撃を与えましたが、長期的には回復し、市場は成長を続けています。
1. 長期投資を前提にする
株式市場は短期的な暴落を繰り返しながらも、長期的には成長する傾向にあります。過去100年以上のデータを見ると、世界経済は成長を続けており、株式市場もそれに伴い上昇しています。
2. 分散投資が重要
特定の業界や企業に集中投資すると、リーマンショックのような危機で大きな損失を被る可能性があります。そのため、インデックスファンドなどの分散された投資信託を活用することが、リスク管理の観点からも有効です。
まとめ:リーマンショックと投資信託の教訓
リーマンショックで投資信託が大暴落しましたが、長期的に持ち続けていた場合、多くのインデックスファンドは大きく回復しました。しかし、特定の業界や企業に依存した投資信託は回復できなかったものもあります。
また、投資信託は運用会社が破綻しても資産は信託銀行が管理するため、基本的に保護されますが、組み入れられた企業が倒産すると、その影響は受けます。
リーマンショックの教訓として、長期的な視点を持ち、分散投資を心がけることが重要であると言えるでしょう。
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こんにちは!利益の管理人です。このブログは投資する人を増やしたいという思いから開設し運営しています。株式投資をメインに分散投資をしています。
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