ここ数カ月、自動車メーカーを中心に“派遣切り”や“期間工切り”といった人員削減の動きが加速しています。その背景には、トランプ政権による厳しい対中・自動車関税政策があり、果たしてこれがリーマンショック級の影響を及ぼすのか注目されています。本記事では、現状と今後のリスクを整理し、見通しを探ります。
トランプ政権の関税政策と業界への影響
2025年4月以降、アメリカは自動車と部品に25%の関税を導入し、各国メーカーが巻き込まれています。これにより、Stellantisは一時工場停止・900人の一時解雇、Jaguar Land Roverは管理職500人削減などが発生しています。
また、日本の自動車輸出業も大打撃で、トヨタは約13億ドルの損失、日産は2万人規模の人員削減予定と報じられています。これはまさにリーマンショック時の雇用縮小を彷彿とさせています。
部品・下請け業者への連鎖的影響
関税により、新車製造の混乱が広がると、下請け企業も稼働停止やレイオフに追い込まれます。あるミシガン州の部品メーカーでは売上が40%ダウンし、従業員8名が解雇される事態が発生しています。
サプライヤーがつぶれると、最終製品の生産にも影響が及び、まさに「ドミノ倒し」の様相を呈しています。
リーマンショック再来の懸念は現実味を帯びているか?
現在の影響はリーマン級とまではいかないものの、IMFや経済調査会社は景気後退リスクの高まりを警告しています。
ただし、2025年6月時点では失業率は約4%台を維持し、米国はまだ完全なリセッションには陥っていません。
政府・業界による対応と政策転換の兆し
関税に揺れる自動車業界からの圧力を受け、トランプ政権は2025年4月末に輸出業者への関税クレジット制度を導入しています。これは一部製品に対する関税軽減策です。
ただし、中国製品への高関税などは依然として維持されており、復調には不透明な点が多い状況です。
今後のリスクと注視すべき指標
- 自動車出荷・輸出数量:落ち込み幅が拡大していないか
- 業界雇用統計:一時解雇から本格雇用削減へ進む動きがあるか
- 政策動向:関税撤廃や追加緩和の兆しか
これらが今後の景気動向を占う重要な指標となります。
まとめ
現時点では、リーマンショック級の景気後退には至っていないものの、関税ショックは確実に雇用と産業構造に打撃を与えています。サプライチェーンの弱体化が進む中、今後の政策対応によっては深刻な影響が拡大する可能性もあるため、引き続き注視が必要です。

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