株式投資では、同一銘柄を同日に繰り返し売買することで効率的に利益を狙う手法もあります。しかし現物取引では「差金決済取引」の制限が存在し、資金管理の知識が必要です。この記事では、楽天証券を例に、差金決済とは何か、どのような資金管理があれば繰り返し取引が可能なのかをわかりやすく解説します。
差金決済とは何か?
差金決済とは、「買い」と「売り」の注文が完了する前に同じ資金で再度同一銘柄の取引を行うことを指します。金融商品取引法により、一般の現物取引においては原則禁止されています。
例えば、100万円を使ってA社株を購入後、その株を売却する前に再び同じ100万円でA社株を購入すると差金決済に該当します。
楽天証券における同日取引のルール
楽天証券では、現物取引の場合、同一銘柄を「買う→売る→買う」といった同日内の繰り返し取引を行うには、それぞれの買いに対して別個の資金(取引余力)が必要です。最初の「買う→売る」については差金決済にあたりませんが、売却代金が即時に再利用できないため、同額の新たな資金が必要になります。
つまり、300万円の資金があれば、60万円の銘柄を5回分独立して取引できるということです。
自動スイープ機能で資金を確保できるか?
楽天証券では、楽天銀行との自動スイープ機能を活用することで、楽天銀行口座の資金が証券口座の取引余力として反映されます。このため、事前に楽天銀行に十分な資金がある場合には、同日複数回取引が可能です。
ただし、スイープはリアルタイムではない場合もあるため、大口の取引を予定している場合は前日に資金移動しておくのが望ましいです。
信用取引と現物取引の違い
信用取引口座を開設すると、差金決済の制限を受けずに同一銘柄の「買い→売り→買い」などの繰り返しが可能になります。ただし、信用取引はレバレッジがかかるため、元本割れや追証などのリスクがある点に注意が必要です。
現物取引のままで対応したい方は、あくまで「資金の独立性」が鍵であることを理解しておきましょう。
具体例で考える:300万円の資金がある場合
仮に1株60万円の銘柄Aを5回分購入したい場合、以下のような取引が可能です。
- 1回目:60万円で買う → 売る
- 2回目:新たな60万円で買う → 売る
- …
- 5回目まで繰り返し可能
ここで重要なのは、各「買い」において使用される資金が「同一でないこと(=売却代金を次の買いに流用していない)」です。
まとめ:現物取引で繰り返し売買するには十分な資金余力が鍵
楽天証券における現物取引では、差金決済に該当しないために「資金の独立性」が最も重要です。余力があれば、同一銘柄の売買を1日に複数回行うことも可能です。
自動スイープ機能も活用しながら、余裕のある資金管理と慎重な計画を持って運用することで、信用口座を開設せずとも柔軟な取引が実現できます。

こんにちは!利益の管理人です。このブログは投資する人を増やしたいという思いから開設し運営しています。株式投資をメインに分散投資をしています。
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