モダンポートフォリオ理論(MPT)におけるマーケットポートフォリオは、リスクとリターンを最適化するために、すべてのリスク資産が均等に組み込まれた理論上のポートフォリオです。VT(Vanguard Total World Stock ETF)とACWI(iShares MSCI All Country World Index ETF)はどちらも世界中の株式に投資するETFですが、その構成や目的に違いがあります。この記事では、VTとACWIの違いを比較し、どちらがMPTのマーケットポートフォリオに近いかを考察します。
VT(Vanguard Total World Stock ETF)とは?
VTは、Vanguard社が提供するETFで、全世界の株式市場に分散投資を行うことができます。具体的には、先進国と新興国の株式市場を広範囲にカバーしており、MSCI ACWIインデックスをベースにしています。このETFは、全世界の株式市場の時価総額を反映する形で、各国の企業に均等に投資を行います。
VTの特徴は、世界中の株式に分散投資を行い、各市場における成長を享受する点にあります。これにより、投資家は1つのETFを通じて、グローバルな市場にアクセスすることができます。
ACWI(iShares MSCI All Country World Index ETF)とは?
ACWIは、MSCI All Country World Index(ACWI)に基づいて投資を行うETFです。このインデックスは、先進国と新興国の株式を含む世界中の株式をカバーしています。ACWIは、先進国の株式に比重が高く、新興国株式を含むことで、グローバルな分散投資を提供します。
ACWIの特徴は、先進国市場が大きな割合を占めている点です。したがって、特に先進国経済が強いときにその成長を反映する一方で、新興国市場の影響を受けにくいという面があります。
VTとACWIの違いとモダンポートフォリオ理論における位置づけ
VTとACWIは、どちらもグローバルな株式市場に投資するETFですが、その構成には違いがあります。VTは、先進国と新興国の株式に均等に分散投資を行うため、グローバルな時価総額に近い分布を持ち、モダンポートフォリオ理論における理想的なマーケットポートフォリオにより近いと言えます。
一方、ACWIは先進国株式に重点を置いており、これにより新興国市場の影響を軽減します。モダンポートフォリオ理論では、全世界のリスク資産を適切に分散させることが推奨されており、ACWIはその意味で若干の偏りがあると考えられます。
モダンポートフォリオ理論に基づくその他の選択肢
モダンポートフォリオ理論に最も近い投資商品は、全世界の株式を均等に反映したETFやインデックスファンドです。例えば、VTのように全世界の時価総額に基づいて分散投資を行うファンドは、MPTの理論に非常に適しています。また、その他にも、MSCI ACWI IMIインデックスをベースにしたファンドや、世界中の企業に等比率で投資するインデックスファンドなども、マーケットポートフォリオに近い商品として検討できます。
さらに、資産配分を最適化するために、債券や不動産などのリスク資産を加えた「グローバルポートフォリオ」を構築することも有効です。これにより、株式市場のリスクを分散し、より安定したリターンを狙うことができます。
まとめ
VTとACWIはどちらもグローバルな株式市場に投資するETFですが、VTは全世界の時価総額を反映し、モダンポートフォリオ理論におけるマーケットポートフォリオに近い構成を持っています。ACWIは先進国株式の割合が高く、新興国の影響を受けにくい特性があります。
マーケットポートフォリオに最も近い投資商品を選ぶ際には、全世界のリスク資産を反映したインデックスファンドやETFを選ぶことが重要です。VTのような投資商品は、理論に基づいたポートフォリオを構築するための有力な選択肢となります。

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