投資初心者から中級者まで、NISAなどで資産形成を始める際によく迷うのが「S&P500か、オルカン(全世界株式)か」という選択です。最近ではYouTubeやSNSでも「S&P500が圧倒的に強い」との情報が多く流れていますが、果たして本当にそうなのでしょうか?この記事では、S&P500とオルカンの違いを、データ・実例・リスク要因などから多角的に比較し、どちらを選ぶべきか判断の材料を提供します。
S&P500の特徴と強み
S&P500は、米国の代表的な上場企業500社に分散投資するインデックスです。米国経済が世界を牽引してきたこともあり、過去30年間の年平均リターンは約8〜10%と非常に高い水準です。
構成銘柄の大半がApple、Microsoft、NVIDIAなどのグロース株であり、近年はGAFAMなどのハイテク企業の好調が全体のパフォーマンスを押し上げています。
オルカン(全世界株式)の特徴と分散力
オルカン(eMAXIS Slim 全世界株式)は、米国・欧州・日本・新興国などを含む約50ヵ国以上の株式に投資するインデックスファンドです。
分散力に優れており、リスクの分散という意味では非常に強固な設計です。実際、オルカンの約60%はS&P500銘柄と重複しており、「米国を軸に、他地域の成長も取り込む」形になっています。
パフォーマンス比較:過去と未来
過去10年のリターンでは、S&P500の方がオルカンを上回っています。
ファンド | 年平均リターン(過去10年) |
---|---|
S&P500 | 約10% |
オルカン | 約7〜8% |
ただし、今後も米国が同じペースで成長し続けるかは不透明です。米国の経済停滞やドル安が起これば、オルカンの方が安定する可能性もあるのです。
どちらを選ぶべき?判断の軸を解説
投資戦略を決める上で大切なのは、次のような視点です。
- 成長に賭けたい→S&P500
- 安定・リスク分散を重視→オルカン
- リスクも成長も取りたい→S&P500とオルカンの併用
たとえば、ポートフォリオの80%をS&P500に、20%をオルカンにするなど、「米国集中+地球全体ヘッジ型」のハイブリッド戦略も有効です。
動画など外部情報に影響されるときの注意点
YouTubeなどで紹介されているS&P500推しの動画は、データに基づいた内容も多い一方で、一時的なトレンドに基づく意見が混じることもあります。
短期的な上昇に魅力を感じるのは当然ですが、数十年単位の資産形成を目的とするなら、冷静な視点でリスク管理を行うことが重要です。
まとめ
S&P500は過去実績が非常に良好な優良指数ですが、米国に資産を集中させるリスクは否定できません。
一方、オルカンは分散性に優れ、どの国が成長しても取り込める設計になっており、長期投資との相性が良いです。
どちらが正解かではなく、自分の投資方針とリスク許容度に合わせて使い分けることが、賢い選択といえるでしょう。

こんにちは!利益の管理人です。このブログは投資する人を増やしたいという思いから開設し運営しています。株式投資をメインに分散投資をしています。
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