証券会社で口座を開設する際、多くの申込書に「総資産額」や「年収」「投資経験」といった項目が含まれています。中には正直に書くのがためらわれる方もいるかもしれませんが、これらの項目には明確な意図があり、内容によっては将来的な投資に影響する場合もあります。この記事では、総資産額を少なめに書くことの是非や、証券会社側の意図をわかりやすく解説します。
■ なぜ証券会社は「総資産額」を聞いてくるのか
証券会社が顧客の総資産額を把握したがるのは、主に以下のような理由があります。
- ① 金融商品取引法に基づく適合性の確認
- ② 投資助言・勧誘の参考情報
- ③ リスク許容度の把握とトラブル防止
特に「適合性の原則」と呼ばれるルールでは、証券会社は顧客の資産状況や投資経験に応じた金融商品を提案する義務があります。
■ 総資産を少なめに申告した場合の影響
一見すると、資産を控えめに申告すれば「無理な営業が来ない」などと考える人もいますが、実際には次のような影響が考えられます。
- ✔ 高リスク商品の購入が制限される
- ✔ 信用取引や先物取引の審査に通りにくくなる
- ✔ 本人確認の整合性チェックにひっかかる可能性
例:実際の資産が3000万円あるにもかかわらず、申込書に「100万〜500万円」と記載すると、投資信託や仕組債などの案内が来なくなったり、口座の制限が課される可能性もあります。
■ 書かない・ごまかすことで問題になるケース
申告内容と実際の取引が大きく乖離していると、後々トラブルになることがあります。たとえば高額な投資を行って損失が出た場合に「元々資産が少ないと申告していたのに、なぜこの商品を勧めたのか?」という法的トラブルにつながる可能性があります。
また、証券会社は資産内容を「目安」として把握しているため、ウソを書いても犯罪にはなりませんが、信頼関係の構築上マイナスになることもあります。
■ 実例で見る申告の影響と対応策
実例①:ある投資家が信用取引口座を開設しようとした際、「年収300万円・資産500万円未満」と記入していたことで審査に落ちたが、実際は年収800万円・資産2000万円。再申請で訂正したところ、無事開設できた。
実例②:高額な仕組債の購入希望者が、初回登録時に「投資経験なし・資産少なめ」としていたため、販売側が勧誘不可となり購入できなかった。
このように、慎重すぎる申告が思わぬ機会損失になることもあります。
■ 総資産額の記入で意識したいポイント
✔ あくまで「目安」であり、正確な数値である必要はない
✔ 自分の投資目的や取引予定に合ったレベルで記載する
✔ 将来、変更や修正も可能であることを理解しておく
たとえば、ある程度余裕がある人は「500万〜1000万」といった現実的な範囲で申告することが、適正なサービスを受けるうえで有利に働きます。
■ まとめ:正直すぎず、かといって過剰に控えめにもせず
証券会社への総資産額の申告は、顧客の投資目的やリスク許容度を測るための指標に過ぎません。過小申告によって自ら投資機会を狭めることがないよう、ある程度の正確さを意識しつつ、無理のない範囲で記載するのが最善です。
後から訂正や更新も可能なので、最初の段階では「実情に近い範囲で答える」ことが、安心して長く取引を続けるための第一歩になります。

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