相場において「順張りが正義」と思われがちですが、それはあくまでトレンドが出ている局面の話です。実際には、どんなに経験豊富なトレーダーでも「持ち合い相場」で順張りを繰り返すと損失を抱えることが少なくありません。本記事では、持ち合いでの順張りが機能しづらい理由や、上手な立ち回り方について解説していきます。
そもそも持ち合いとは?
持ち合いとは、一定の価格帯の中で上下を繰り返す「方向感のない相場」のことを指します。レンジ相場やボックス相場とも呼ばれます。この局面では価格が一定の範囲を往復するため、トレンドフォロー(順張り)型の手法ではだましに遭いやすくなります。
たとえば、上に抜けたと思って買いエントリーしても、すぐに反落してレンジの下限に戻る、といった動きが典型例です。
順張りが失敗しやすい理由
順張りは「勢いに乗る戦略」ですが、持ち合いではその勢い自体が存在しません。そのため、ブレイクアウトを狙ったエントリーが失敗に終わる確率が高く、連敗しやすいのです。
特に、指標前やイベント前など「市場が様子見ムード」の際には、持ち合いが長引く傾向があり、その間に無理な順張りをすると資金を削るだけになります。
実例で見る:持ち合い相場での失敗と回避法
例えばドル円で「145.00〜145.80」間を数日間行き来する場面があるとします。145.80を少し超えた瞬間に「ブレイクだ!」と買いに入ると、再び下がって145.10あたりに戻されるといった展開がよく見られます。
このようなときには「明確なボラティリティの拡大」が確認されるまで待つか、むしろレンジ上限で売り、下限で買う逆張りスタンスの方が有効になります。
相場環境認識の重要性
勝てるトレーダーとそうでないトレーダーの差は、戦略のうまさよりも「相場環境を正しく認識できるかどうか」によって分かれます。順張りが得意な人も、持ち合いを見抜き、エントリーを控える勇気を持っているかがカギなのです。
たとえば移動平均線が横ばい、ボリンジャーバンドが収縮している場合は「持ち合い警戒」のシグナルとなります。こうした客観的なサインを見逃さないことが大切です。
持ち合いを抜ける“兆候”を見極めるコツ
持ち合いは永遠に続くわけではなく、いずれどちらかに抜けます。出来高の増加、長いヒゲを伴うローソク足、ファンダメンタルズの急変などがきっかけになることが多いです。
これらの兆候を待ってから順張りエントリーすることで「だまし」のリスクを減らすことができます。
まとめ:順張りは万能ではない。環境に応じた柔軟さを
順張りは確かに強力な戦略ですが、持ち合い相場ではむしろ不利になります。大切なのは「今の相場がどんなフェーズなのか」を的確に把握し、それに応じた戦略を採ることです。
無理なトレードを避ける冷静さと、ブレイクのチャンスに乗る判断力――この両輪を鍛えることで、安定したトレード成績につながっていきます。

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