GDP(国内総生産)は、国内で生み出された付加価値の総額を表す経済指標です。そのため、輸入品がどのようにGDPに関与するのかという点は、経済の基本を理解するうえでとても重要です。本記事では、輸入がGDPにどのように影響するのかを、実例を交えながら丁寧に解説します。
GDPの構成と輸入の位置づけ
GDPは以下の式で表されます。
GDP = C(消費) + I(投資) + G(政府支出) +(X(輸出) – M(輸入))
このうち、輸入(M)は最後にマイナスされる項目です。これは、消費や投資などに含まれる輸入品の価値が日本国内で生み出されたものではないため、その分を差し引く必要があるためです。
なぜ輸入はGDPから引かれるのか?
たとえば、あなたが海外から直接スマートフォンを買った場合、その購入金額は消費(C)にカウントされますが、日本国内で付加価値は生まれていないため、輸入(M)として引かれます。
このように、GDPは国内で新たに生まれた価値のみを集計するため、輸入分は帳尻を合わせるために差し引く必要があるのです。
日本企業が輸入品を販売した場合の扱い
では、日本企業が海外から商品を仕入れて国内で販売した場合、その売上はGDPにカウントされないのでしょうか? 実はこの場合、国内企業が販売に関わっているため、そのマージン部分がGDPに加算されます。
たとえば、海外から1万円で仕入れた商品を1万2千円で販売した場合、差額の2千円(=付加価値)がGDPに計上されます。つまり、単に輸入分がすべてGDPに含まれないというわけではなく、付加価値が国内で生じた部分のみがGDPに含まれるのです。
輸入品を消費者が直接購入した場合のGDPへの影響
個人が越境ECなどを利用して、海外企業から直接輸入品を購入した場合には、国内企業の付加価値が発生しないため、その全額が輸入としてGDPから差し引かれます。
たとえば、Amazonの海外マーケットプレイスで海外業者から直接商品を購入したケースなどが該当します。この場合、その消費活動はGDPには含まれず、むしろ輸入によってマイナス効果が出ることになります。
サービスの輸入も同様にカウントされる
モノだけでなく、サービスの輸入もGDPに影響します。たとえば、海外のフリーランサーに仕事を発注して報酬を支払った場合、それはサービスの輸入とみなされ、やはりGDPから差し引かれます。
逆に、日本が海外から仕事を請け負えば、それはサービスの輸出となりGDPを押し上げる要素になります。
まとめ:輸入の影響を正しく理解しよう
輸入は「悪」ではありませんが、GDPという指標上は、国内で新たに生み出された価値ではないため差し引かれるという扱いになります。ただし、国内企業が関わっていれば、その活動の中で生じた付加価値分はGDPに計上されます。
輸入とGDPの関係を正しく理解することで、経済の仕組みをより深く知ることができます。

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