コーストFIREとは?最低限の資産でセミリタイア的生活を目指す戦略と必要額の目安

資産運用、投資信託、NISA

最近話題の「コーストFIRE(Financial Independence, Retire Early)」は、完全なリタイアではなく、将来のリタイア資金をすでに確保しつつ、現在は最低限の生活費だけを稼ぐという柔軟なライフスタイル戦略です。フルFIREとは異なり、ストレスの少ない働き方や精神的余裕を重視する人に注目されています。

コーストFIREとは?従来のFIREとの違い

FIREは「経済的自立と早期リタイア」を意味しますが、コーストFIREは「資産を育てる過程を終え、今後は労働に頼らず資産運用で老後の生活が成り立つ状態」に達した人のことを指します。生活費はパートや低ストレスの仕事でまかない、老後資金はすでに確保済みという状態です。

たとえば、30代で老後資金3,000万円を作った人が、その後は月10万円の労働収入で生活しながら、老後は運用資産で暮らす、というのが典型例です。

どれくらいの資産があれば「コーストFIRE」と言える?

目安となるのは「老後資金が既に運用で増えるだけの状態にある」ことです。具体的には、老後(60~65歳)までの年数と年率リターン(たとえば年5%)をもとに、将来必要な資金を逆算します。

例:35歳で退職、老後資金として60歳までに6,000万円必要とする場合、年利5%で25年間運用するとして、必要な現在の資産は約1,750万円程度です。この金額があれば、追加投資をしなくても老後には目標額に達します。

「安月給でもコーストFIRE」と言えるための条件

コーストFIREは「生活費を働いて稼ぎ、老後資金はすでにある」状態です。つまり、現在の収入が少なくても、「将来のための準備が完了している」ならば胸を張ってコーストFIREを名乗れます。

ただし、実際にはインフレや医療費、家族構成の変化などもあるため、あくまで余裕を持ったプランニングが必要です。「ぎりぎりで足りる」は精神的余裕を奪います。

コーストFIREのメリットと注意点

  • ◎ ストレスの少ない仕事で生活できる
  • ◎ フルリタイアよりも現実的で再現性が高い
  • ◎ 投資リスクの分散期間が長くなる

一方で、注意点としては「不確実な将来利回り」「病気などによる予期せぬ出費」があります。医療保険や災害備えなども視野に入れておくと安心です。

実例:30代で1,500万円貯めたAさんの場合

Aさんは35歳で退職し、月10万円のアルバイトで生活。保有する1,500万円の投資信託が年5%で運用されれば、65歳時点で約5,100万円となり、老後資金として十分。住宅ローンや子育ての負担がなければ、まさにコーストFIRE状態です。

逆に、生活費が賄えずに貯蓄を取り崩してしまう場合は、単なる「節約生活」になり、FIREとは呼べません。

まとめ:必要なのは“金額”より“考え方”

コーストFIREは自分の人生の設計に沿った「価値観主導の生き方」の一つです。必要な金融資産は人によって異なりますが、将来必要な資金を逆算し、その準備ができていれば、今の年収や役職に関係なく堂々とコーストFIREと名乗れます。

重要なのは「逃げ」ではなく「戦略的選択」として捉えること。見栄や世間体ではなく、自分らしい暮らしにこだわる姿勢がコーストFIREの本質です。

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