「新興国株式インデックスはやめた方がいい」は本当か?長期投資家が知るべき真実と向き合い方

資産運用、投資信託、NISA

投資の世界では、有識者やインフルエンサーの意見が時に強く影響しますが、それが真に正しいかどうかは別問題です。「新興国株式インデックスなんて中身の95%はクズ」という発言を耳にしたとき、果たして鵜呑みにして良いのでしょうか?この記事では、新興国株式投資の実態と、インデックス投資におけるその役割について、冷静に検証していきます。

そもそも新興国株式インデックスとは?

新興国株式インデックスとは、MSCIエマージング・マーケット・インデックスなど、複数の新興国企業の株式で構成される指数のことです。代表的な国には中国、インド、ブラジル、南アフリカなどが含まれており、これらの国の成長性を期待して投資するのが特徴です。

構成銘柄には国有企業からテック系スタートアップ、エネルギーや金融など多様な業種が含まれており、世界経済との相関も強くなりつつあります。

「中身がクズばかり」という批判の背景

新興国株式は、確かに先進国に比べてガバナンスや情報開示が不透明な企業も少なくありません。また、通貨リスクや政情不安、規制変更による影響を受けやすいという側面もあります。これらを総合すると、「信頼できない企業が多い」という印象を持たれるのも無理はないでしょう。

ただし「95%がクズ」と断じるのは極論であり、統計的根拠に欠けます。優良な企業も含まれており、国によっては先進国に匹敵する経営品質の企業も増加しています。

分散投資における新興国株の位置づけ

インデックス投資の大きなメリットは、特定の銘柄に依存せず、リスクを分散できる点です。新興国株式はボラティリティ(価格変動)は高いものの、先進国株式との相関が低く、ポートフォリオ全体のリスクを下げる可能性があります。

たとえば米国株が伸び悩んだ年に、インドや東南アジアの新興国市場が高成長を遂げるといったケースも実際にあります。

長期的視点ではどうか?

新興国の多くは人口ボーナスや経済成長の初期段階にあり、長期的には高いリターンが期待される市場です。例えば過去10年間で見れば、インドの株式市場は年平均で先進国以上のリターンを出しています。

短期的な変動や政情不安に左右されがちではあるものの、投資期間を長期にとることで、これらのリスクは相殺される傾向があります。

新興国投資の注意点と選び方

新興国インデックスに投資する際は、手数料や対象国の比率にも注意が必要です。特に中国の比率が高い指数の場合、政策リスクや地政学リスクを慎重に考慮する必要があります。

また、ETFや投資信託を通じて間接的に分散投資するのが現実的な選択肢です。例としては「eMAXIS Slim 新興国株式インデックス」や「VWO(Vanguard FTSE Emerging Markets ETF)」などが挙げられます。

まとめ:情報の取捨選択と長期目線が鍵

「新興国株式インデックスはやめた方がいい」という意見は、短期的なボラティリティや制度的未整備な側面を見れば一定の説得力はあります。しかし、長期分散投資の視点では、新興国への投資は依然として有効な戦略です。

投資判断は一人の意見ではなく、複数のデータと自分自身のリスク許容度をもとに下すべきです。インデックス投資の本質に立ち返り、冷静な視点で資産形成を進めていきましょう。

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