複利とは何か?正しく理解して投資に活かすための基本と誤解

資産運用、投資信託、NISA

「複利で資産が増える」といった表現は投資の世界でよく耳にしますが、実際に複利とはどのような仕組みで、どのような場面で使われる概念なのでしょうか。また、「複利だから必ず資産が増える」という表現は正しいのでしょうか?この記事では、複利の定義や具体例を交えて、正確な理解とその応用方法を解説します。

複利とは?定義と単利との違い

複利とは、ある元本に対して得られた利息を再び元本に組み入れて、次回以降の利息計算に用いる仕組みを指します。これにより、利息が利息を生むという現象が起こり、時間とともに増加のスピードが加速していきます。

一方、単利は毎回の利息が元本のみに対して計算されるため、増加のペースは一定です。たとえば、年利5%で100万円を10年間運用した場合、単利では50万円の利益ですが、複利では62.9万円と、時間が経つほど差が大きくなります。

複利の特徴:増加だけでなく減少にも作用する

複利というと「資産がどんどん増える」といったイメージがありますが、実際には運用の結果がマイナスになれば、減少方向にも同じように複利効果が働きます。つまり、複利は「増減の積み重ね」によって資産が変動していく仕組みなのです。

たとえば、100万円を-10%のリターンで複利運用すると、1年後は90万円、2年後は81万円と、マイナスの影響も積み重なっていきます。このように、複利とは「変動の累積効果」であり、必ずしも増えるとは限りません。

あなたの定義は的を射ているのか?

「過去の総額に基づいて次の変動が決まり、その積み重ねが今の総額を構成する」というご意見は、まさに複利の本質を捉えた考え方です。利息が利息を生む仕組みは、まさに「過去の状態を起点とする次の変化」の連続です。

また、「増減」という表現を用いている点も非常に正確です。投資の世界では必ずしも右肩上がりになるとは限らず、複利がマイナスの方向に作用することもあるという理解は、投資判断において重要な視点となります。

投資と複利の関係:どこまで「お得」なのか?

「投資は複利でお得」と聞くと、まるでリスクがないように感じられるかもしれませんが、実際にはリスク管理と運用期間のバランスが複利効果を活かす鍵となります。

たとえば、年利5%で30年間運用できれば、100万円は約432万円になります。これは複利の力によるものですが、途中で大きく損失が出れば、この成長カーブは失われてしまう可能性があります。したがって、安定したリターンを継続して得ることが複利運用では非常に重要です。

正しい表現とは何か?

「投資は複利で増える」という表現は、厳密には誤解を招く可能性があります。なぜなら、複利は「増えることも減ることもある」運用の構造を表しているだけで、成果を保証するものではないからです。

より適切な表現としては、「複利とは、得られたリターンを再投資し、変動の積み重ねで資産を運用する仕組み」であり、「投資は複利で増えることもあれば、減ることもある」と伝えるのが正確です。

まとめ:複利は魔法ではなく、理解と運用の技術

複利は確かに資産形成において非常に強力な仕組みですが、それは「正しく理解し、リスクと向き合い、長期的視点を持った運用」を行ったときにこそ真価を発揮します。

「複利だから増える」は幻想であり、「複利だからこそ慎重に運用すべき」という視点が現実的な姿です。投資において複利を味方にするためには、その構造と本質を深く理解しておくことが欠かせません。

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