経済学の基礎的な演習の一つに、自分で効用関数を設定し、最適な消費選択を数式的・直観的に導く課題があります。この記事では、2財モデルを用いて効用最大化問題を自作・解答する一連のプロセスを、具体例を交えて解説します。
① 2つの財を設定する
まずは分析対象となる2つの財を選びます。たとえば、「パン(財x)」と「ジュース(財y)」を考えてみましょう。これは相補的関係にも代替的関係にも解釈できますが、今回は一般的な代替財として扱います。
この2財の選択は、好みや実際の事例に合わせて自由に変えてかまいません。「電車」と「バス」なども典型的な例です。
② 効用関数の設定と好みの表現
次に効用関数を設定します。ここでは、代表的で扱いやすいコブ=ダグラス型効用関数を用います。
U(x, y) = x0.5 y0.5
この関数は、どちらか一方だけではなく、xもyもバランスよく消費したときに効用が高くなる性質を持ちます。また、限界代替率(MRS)が連続的に変化し、代替財としての直観とも一致します。
③ 所得・価格を設定して効用最大化問題を解く
次に、価格と所得を設定し、予算制約のもとで効用を最大にする組み合わせを求めます。
- 価格:px = 100、py = 200
- 所得:I = 2000
予算制約式は:
100x + 200y = 2000
ラグランジュ法を用いて解くと、最適消費点は x = 10, y = 5 となります。
これにより、xとyをバランスよく消費して効用が最大化されることがわかります。
④ 個別需要関数の導出
今度は、価格pxやpyを変数として、一般式の需要関数を求めます。前述のコブ=ダグラス型では、最適消費量xとyは以下のように求まります。
- x = 0.5 × I / px
- y = 0.5 × I / py
これは価格が上がれば需要量が減り、所得が上がれば需要量が増えるという経済的な直感と合致しています。
⑤ エンゲル曲線の導出
エンゲル曲線とは、所得の変化に対する需要量の関係を示した曲線です。所得Iを変数とし、価格を固定すると以下のようになります。
- x = 0.5 × I / 100
- y = 0.5 × I / 200
つまり、所得が増えれば消費量も比例して増える、ということがこのモデルでは表現されています。
まとめ:自作モデルで学ぶ効用最大化の流れ
自分で効用関数や価格、所得などを設定し、そこから需要関数やエンゲル曲線を導出することで、消費者行動の経済学的理解が深まります。特に、数学的な解法と経済直観を結びつけることがポイントです。
この流れをマスターすれば、試験対策にも研究にも大きく役立ちます。複雑なモデルに進む前に、ぜひこの2財モデルを自分の手で繰り返し解いてみてください。

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