週末にポジションを持ち越すFXトレードには、突発的な要人発言や地政学リスクなどによる大きなギャップダウン・アップのリスクが伴います。この記事では、4時間足（4H）や日足などの中長期時間軸で裁量トレードを行う場合における、適切な損切り幅の考え方と、実際のトレーダーの対応例を紹介します。
週またぎトレードのリスクとは？
週末にはFX市場が閉まっているため、ポジションを調整できない状態で突発的なニュースが流れることがあります。米国要人の発言や大統領選、中央銀行の声明、地政学的リスクなどが代表例です。
例えば、2024年にトランプ氏が発言した為替関連コメントでは、週明けにドル円が3円近くギャップダウンしたケースもありました。
実際の損切り幅設定の目安
週またぎトレードをする場合、以下のような損切り幅が参考になります。
- 4時間足（H4）ベース：100〜200pips
- 日足ベース：200〜400pips
- トレンドフォロー型：直近の重要なサポート／レジスタンスを基準
これに加えて、ボラティリティが高まるイベント（FOMCやG7後、選挙前後など）の際は、通常より広めにとる判断がされています。
ギャップリスクと対処法
週末に発生する可能性がある価格ギャップは、ストップ注文が機能しないこともあるため、実質的な損失が大きくなることがあります。
このリスクに対処するには、週末前にポジションを一旦手仕舞う、または証拠金管理を極めて保守的に行うなどの対応が必要です。
実際のトレーダーはどうしているか？
中上級者トレーダーの中には、以下のような戦略を取っているケースがあります。
- 週末前に手仕舞う（特に重要イベントがある週）
- リスク限定で小ロットにする
- 裁量判断によりポジション縮小
- スワップ狙いポジションだけ保持
「損切り幅を大きく取る＝リスクを取りすぎる」とならないよう、資金管理とポジションサイズの調整が前提です。
損切り幅の決定に使えるツールと指標
損切り幅を設定する際には、以下のテクニカル指標が役立ちます。
- ATR（Average True Range）で平均変動幅を参考にする
- ボリンジャーバンドの外側付近にストップを置く
- 直近の高値・安値＋αで設定
例えば、ドル円の4HチャートでATRが40pipsなら、1.5倍の60pipsを損切りの目安にするという判断も合理的です。
まとめ：週またぎは「リスク対策」と「準備」がすべて
- 週またぎには要人発言や地政学的リスクによるギャップがある
- 損切り幅は時間足・ボラティリティに応じて100〜400pipsが目安
- リスク回避のため、週末前に手仕舞うトレーダーも多い
- ATRやサポート・レジスタンスを参考に設定することが有効
週をまたいでポジションを持つ際は、リスクを取る覚悟と、それを吸収する資金管理が不可欠です。安易な週またぎを避けることで、不要な損失を防ぐことができます。
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