ニュースで「日銀が金利を引き上げた」「アメリカが利下げを検討」などと報じられることがありますが、そもそも金利はどのように操作されているのでしょうか?この記事では、中央銀行による金利の調整の仕組みや国債との関係、金融政策の具体的な方法について初心者にもわかりやすく解説します。
金利は中央銀行がコントロールしている
金利を操作しているのは、各国の中央銀行です。日本では日本銀行(通称:日銀)、アメリカではFRB(連邦準備制度)がこれにあたります。
中央銀行が設定する金利は、正確には「政策金利」と呼ばれ、金融機関同士が資金を貸し借りする際の短期金利の水準を指します。政策金利が変動すると、市中金利や住宅ローン金利などにも影響が波及します。
金利操作の具体的な方法:公開市場操作
金利を上げたり下げたりする際、中央銀行が使うのが「公開市場操作(オープン・マーケット・オペレーション)」です。これは主に国債などを買ったり売ったりすることで、市場の資金量を調整する手段です。
- 国債を買い入れる(資金供給)→ 市場にお金が増える → 金利は下がる
- 国債を売却する(資金吸収)→ 市場からお金が減る → 金利は上がる
つまり、中央銀行は国債の発行そのものではなく、既存の国債を売買して金利を操作しているのです。
日銀の具体例:イールドカーブ・コントロール(YCC)
日本では2016年から「イールドカーブ・コントロール(YCC)」という政策が導入され、10年国債利回りを目標とした金利操作が行われています。
たとえば、金利を0.25%に抑えたいとき、10年物国債の利回りがそれ以上になりそうであれば日銀が買い入れを行い、価格を支えることで金利上昇を抑える仕組みです。
政策金利が変わると私たちにどう影響する?
金利操作は、私たちの生活にも様々な形で影響します。
- 住宅ローンの金利:政策金利が上がると変動金利型ローンも上昇傾向に。
- 預金利率:銀行預金の利息が増えることも。
- 為替相場:日米の金利差で円高・円安の動きが出る。
企業の設備投資や消費者の購買意欲にも影響し、結果として景気全体に波及します。
よくある誤解:国債の発行=金利操作ではない
金利の調整は「国債の発行数」で直接行うわけではありません。国債の発行は財務省が行う財政政策であり、金利操作はあくまで中央銀行による金融政策です。
ただし、大量に国債が発行されると、国債価格が下がり、結果として利回り(=金利)が上昇する要因にはなります。したがって、市場全体の需給バランスは間接的に金利に影響を及ぼします。
まとめ:金利操作は金融政策の中核。国債売買による流動性調整がカギ
金利は中央銀行が「公開市場操作」や「政策金利設定」を通じて調整しています。国債の売買を通じて市場の資金供給量をコントロールすることで、金利水準を導くのです。
金利の動きは経済活動全体に大きな影響を与えるため、その仕組みを理解しておくことは資産形成にも役立ちます。ニュースの金利報道にも、ぜひ目を向けてみてください。

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