資産が増えても満足できない心理とは?投資家が抱える『まだ足りない』感情の正体

資産運用、投資信託、NISA

資産が増えているのに素直に喜べず、「まだまだ足りない」と感じてしまう――それはあなただけではありません。多くの投資家や資産形成に取り組む人々が同じような感情を抱いています。この記事では、なぜ人は資産が増えても満足できないのか、その心理的背景や対処法を解説します。

なぜ資産が増えても「足りない」と感じるのか?

これは心理学でいう「快楽順応」や「相対的欲求」の影響によるものです。人間は環境や状況に慣れる性質があるため、資産が増えてもその状態が「当たり前」となり、さらに上を求めるようになります。

また、自分の資産を他人と比較してしまう「社会的比較理論」も影響しています。SNSやニュースで“成功者”の話を聞くたびに、「自分はまだまだだ」と思いやすくなるのです。

投資家に多い「資産依存思考」とは?

投資を続けていると、資産の増減に感情が左右されるようになることがあります。特に、毎日資産額をチェックして一喜一憂してしまうのは「資産依存思考」の典型です。

たとえば、「資産が1,000万円になったら安心できる」と思っていたのに、達成したら今度は「次は2,000万円ないと不安」と感じる。このようにゴールがどんどん遠ざかっていくのが特徴です。

安心を得るにはいくら必要?

実際のところ、安心できる金額は人それぞれです。2024年の内閣府調査では、「老後のために3,000万円以上必要」と回答する人が最も多く、安心の基準は可処分所得や家族構成、ライフスタイルにより異なります。

しかし、安心感は金額だけでは得られません。生活防衛資金が確保されている、収入源が複数ある、生活費が明確で支出をコントロールできていることも大きな安心要素です。

「もっと欲しい」欲求との上手な付き合い方

資産形成は長期戦です。「もっと欲しい」という気持ちを否定する必要はありませんが、それに振り回されないことが大切です。以下のような工夫が役立ちます。

  • 定期的に投資の目的を見直す
  • 資産の“使い道”を具体的に考える(旅行、教育、住居など)
  • 年1回のポートフォリオ確認以外は相場を見すぎない

たとえば「子どもの大学費用として1,000万円を確保できた」としたら、それ以上の追求は「安心のため」ではなく「欲望のため」かもしれません。

過去の自分と比較してみる

他人ではなく、過去の自分と比較することも重要です。1年前より貯蓄が増えた、投資の知識が深まった、生活が少し豊かになった――それだけでも十分な成果です。

「あの頃は手取り20万円でギリギリ生活してたけど、今は投資からの配当もあって気持ちに余裕がある」という実感が、長期的な満足感につながります。

まとめ:満足できない感情は自然、でもコントロールは可能

資産が増えても「もっと欲しい」「まだ足りない」と思ってしまうのは、珍しいことではありません。人間の本能に近い感情です。ただし、その感情に支配されず、自分の目的や価値観を再確認することが、長く続く資産形成において重要です。過去の自分との比較や、安心のための資産目標の設定を通じて、心の平穏と資産の成長を両立させていきましょう。

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