NISAを活用した積立投資において、「取得単価」や「評価損益」の動きが分かりづらいと感じる方は多いでしょう。特に、積立後に基準価額が上がっている状況で追加購入をした場合、「評価損益も減るのか?」という疑問がよくあります。本記事では、取得単価と評価損益の関係を具体例を交えてわかりやすく解説します。
取得単価とは?投資の平均購入価格を意味する
投資信託の「取得単価」とは、購入した全体の平均価格のことを指します。例えば、10カ月間毎月10万円ずつ積み立てた場合、その期間中の基準価額の変動によって、平均的な取得単価が決まります。
仮に100万円分を取得単価20,000円で保有している場合、これは「5万口(=100万円 ÷ 20,000円)」を持っていることを意味します。
評価損益の計算方法を確認しよう
評価損益は、次の式で計算されます。
評価損益=(現在の基準価額-取得単価)×保有口数
例:基準価額23,000円で取得単価20,000円、5万口の場合
→(23,000円-20,000円)×50,000口=150万円-100万円=+50万円
質問の例では、+10万円の損益とのことなので、口数が異なる計算になりますが、基本の考え方は上記です。
追加購入すると取得単価は変わる
ここで新たに10万円を追加購入すると、基準価額が23,000円での購入となり、4,347口(=100,000円 ÷ 23,000円)を新たに取得することになります。合計で54,347口保有し、総投資額は110万円です。
この時点の新しい取得単価は以下のように計算されます。
新取得単価=総投資額 ÷ 総口数=1,100,000 ÷ 54,347口 ≒ 20,237円
つまり、平均取得単価は少し上がるのです。
では、評価損益はどうなるのか?
新しい評価損益は。
(23,000円-20,237円)× 54,347口 ≒ 150,000円
つまり、評価損益は追加投資した分も含めて拡大します。損益額そのものが下がるわけではなく、口数と投資額が増えたことで全体が再計算されるのです。
ただし、1口あたりの評価益(基準価額-取得単価の差)は小さくなるため、「損益率」はやや下がるという見え方になる可能性はあります。
損益が「下がる」と感じるケースとは?
評価損益は金額ベースでは増えても、損益率(%)は変わるため、グラフやアプリの表示によっては「損益が下がったように見える」ことがあります。
たとえば、投資額100万円・含み益10万円=損益率10%
→追加投資10万円後、含み益15万円になっても、損益率は13.6%(15万÷110万)と一見下がったように感じるかもしれません。
まとめ
投資信託での追加購入は取得単価に影響を与えますが、評価損益の「金額」は通常増加します。「損益が下がった」と感じるのは、損益率の変化や表示方法によるものです。正しく理解するためには、損益率だけでなく、評価額と口数、投資額全体を併せて確認することが大切です。

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