マクロ経済学において「LM曲線が右シフトするか左シフトするか」は、貨幣市場の需給バランスに深く関係しています。特に「貨幣需要の拡大」がこのバランスに与える影響は、経済学部の学生や公務員試験を目指す人にとっても混乱しやすいポイントです。本記事ではその関係性をわかりやすく解説します。
LM曲線とは?その定義と位置づけ
LM曲線は、「貨幣市場が均衡する利子率と国民所得の組み合わせ」を表す曲線です。横軸に国民所得(Y)、縦軸に利子率(i)を取り、貨幣市場が均衡する条件をグラフ化します。
この曲線は、実質貨幣供給=貨幣需要という条件のもとに描かれます。つまり、貨幣需要が変化すればLM曲線の位置も影響を受けます。
貨幣需要が増えるとどうなる?
貨幣需要の増加とは、人々がより多くの現金を保有したいと考える状況です。理由には、将来の不安、取引量の増加、または金利の変動に対する反応などがあります。
このように貨幣需要が拡大した場合、一定の貨幣供給量のもとでは、貨幣市場は「貨幣不足」の状態になります。このバランスを取るには、利子率が上昇しなければなりません。
LM曲線は右?左?動きの方向を考える
ここが最も重要なポイントですが、貨幣需要の増加はLM曲線を「左シフト」させます。
理由は簡単で、同じ国民所得の水準では、貨幣不足を補うためにより高い利子率が必要となるからです。つまり、利子率が上昇=LM曲線上で上に移動、全体として左シフトとなります。
LM曲線が右シフトするのはどんなとき?
逆にLM曲線が右シフトするのは、中央銀行による「貨幣供給の増加」があった場合です。供給が増えれば、より低い利子率でも貨幣需要を満たすことができ、LM曲線は右に動きます。
この点を混同すると誤解しやすいため、「需要増 → 左」、「供給増 → 右」という基本ルールを押さえておきましょう。
具体例でイメージを補強
たとえば経済が不安定で、企業も個人も手元資金を厚く持ちたがる局面を想像してください。貨幣需要が一気に増えますが、中央銀行が供給量を変えなければ、利子率は上昇し、LM曲線は左へ移動します。
一方、中央銀行が金融緩和を行い、貨幣供給を増やせば、LM曲線は右シフトします。これは2008年のリーマンショック後の政策などが好例です。
まとめ
LM曲線の動きを正しく理解するには、「何が変化したのか(需要か供給か)」に注目する必要があります。
- 貨幣需要が増加 → LM曲線は左シフト
- 貨幣供給が増加 → LM曲線は右シフト
このルールを意識することで、経済政策の読み解きやマクロ経済分析の理解が一層深まります。

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