予算案が通常国会で成立しなかった場合、どうなるのか――これはよく誤解されがちですが、衆議院・参議院の違い、国会会期、公務員の処遇など、多面的に理解する必要があります。本記事では、ケースごとに実例とともに分かりやすく整理し、疑問を解消します。
1. 衆議院・参議院それぞれの役割と自然成立のルール
参議院で否決された場合、衆議院が30日以内に再可決すれば予算案は自然成立します。これは憲法に定められた「ねじれ国会」時の調整メカニズムです。
一方、衆議院で予算案が通らなければ、再可決の流れが存在しません。一度否決されれば、その国会会期中は再提出ができず、成立の道が断たれます。
2. 衆議院で予算案が否決されたらどうなる?
衆議院で否決されれば、その国会会期内で予算案は成立しません。政府は新しい案の提出か、国会会期の延長を検討する必要があります。
また、否決が与野党間で膠着状態になると、国会会期が延長されても予算案が通らない可能性が出てきます。この場合、臨時国会の開催や党間交渉の再構築が求められます。
3. 「通常国会が永遠に終わらない」のは本当?
予算が通らないからといって会期が無限に延びることはありません。通常国会は衆参合わせて150日以内とされています(国会法第19条)。会期末には延長議決を経て閉会となるのが原則です。
仮に延長しても、150日を超えることはなく、最終的には閉会せざるを得ません。その後、未成立の予算案は新たに提出されるまで棚上げ状態になります。
4. 未成立時の政府・公務員の対応は?
予算が通らなくても、公務員は「仮予算」に基づき業務を継続します。仮予算は前年度予算を基に定額で執行され、公務員の給与も継続されます。
ただし、施設整備や補助金交付など、新規支出には制限がかかり、機能が一部停止するケースもあります。
5. 政治的な影響・解散・選挙につながる可能性
予算の否決が政治的危機を引き起こした場合、政府は衆議院を解散し、信を問うために総選挙を行う可能性もあります。
過去には、予算案が通らないことが政権への打撃となり、政治的に大きな影響を与えた例があり、与党と野党の妥協が必要となる局面もあります。
まとめ:予算未成立でも行政は止まらないが、政治的混迷が続く
・参院否決→衆院再可決で自然成立可能
・衆院否決→国会会期内で成立せず、延長後に閉会
・仮予算で公務員給与等は維持
・政治的には解散・選挙の可能性もあり得る
したがって、予算未成立でも行政は一定程度続行されますが、政治的混乱や与野党間の対話が不可欠となります。

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