為替相場の理解を深めるためには、名目為替相場と実質為替相場の概念を正しく把握することが重要です。この記事では、絶対的購買力平価(PPP)を基に、名目為替相場と実質為替相場の計算方法についてわかりやすく解説します。
絶対的購買力平価とは?
絶対的購買力平価(PPP)とは、各国の物価水準が等しい場合、同じ商品を異なる通貨で購入するために必要な額が等しくなるという理論です。つまり、PPPが成立している場合、物価の違いだけで為替相場が決まることになります。
例えば、日本とアメリカで物価水準がそれぞれ10,000円と200ドルであった場合、PPPが成立しているときの為替相場は、日本の物価水準とアメリカの物価水準が同等になるように調整されます。
名目為替相場の計算方法
名目為替相場は、実際に市場で取引される為替相場です。絶対的購買力平価を基に計算する名目為替相場は、次のように求めます。
名目為替相場 = 日本の物価水準 ÷ アメリカの物価水準
この場合、物価水準がそれぞれ10,000円と200ドルですので、名目為替相場は次のように計算できます。
名目為替相場 = 10,000円 ÷ 200ドル = 50円/ドル
したがって、名目為替相場は50円/ドルとなります。
実質為替相場の計算方法
実質為替相場は、名目為替相場と物価水準の差を考慮に入れた為替相場です。実質為替相場は、以下の式で求めることができます。
実質為替相場 = (名目為替相場 × アメリカの物価水準) ÷ 日本の物価水準
上記の計算式を使って、実質為替相場を求めると次のようになります。
実質為替相場 = (50円 × 200) ÷ 10,000円 = 1
したがって、実質為替相場は1となり、PPPが成立している場合、名目為替相場と実質為替相場は一致します。
名目為替相場と実質為替相場の違い
名目為替相場と実質為替相場は似ているようで異なる概念です。名目為替相場は実際の市場で取引される為替相場を指し、実質為替相場は物価差を考慮に入れた相場です。PPPが成立している場合、実質為替相場は1になります。
例えば、名目為替相場が50円/ドルの場合でも、物価水準の違いによって実際の購買力が変わるため、実質為替相場は1になるということです。
まとめ:為替相場の計算におけるポイント
絶対的購買力平価を基にした為替相場の計算方法について解説しました。名目為替相場は物価水準の比率で計算でき、実質為替相場は物価差を考慮に入れた調整を行います。
このように、為替相場を理解するためには名目為替相場と実質為替相場の違いを把握することが重要です。今回の例では、名目為替相場が50円/ドル、実質為替相場が1となる結果となりました。
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