「利率が確定しているのに為替リスクはある」。外貨建て保険を検討するとき、多くの人がこうした疑問を持ちます。保険会社のセールストークでは見えにくい「リスクとリターンの関係」を、ここで丁寧に整理してみましょう。
外貨建て保険の特徴とは?
外貨建て保険とは、米ドルや豪ドルなどの外貨で保険料を支払い、外貨で運用される保険商品です。円建てよりも高い利率を謳うことが多く、「利率〇〇%確定」といった説明がされます。
一方で、為替変動リスクがあるため、受け取るときの円換算額が大きく変わる可能性があります。たとえば、契約時より円高になっていると、利率で増えたはずの元本が為替の影響で目減りすることがあります。
「利率は確定」なのに損をする可能性があるのはなぜ?
利率は外貨ベースでの確定です。つまり、ドル建てで契約し「年利2%確定」なら、ドルでは2%増えます。
しかし、満期時に円に戻す際の為替レートが契約時より円高(例:1ドル150円→120円)であれば、円換算で損をすることになります。これが「為替リスク」です。
保険機能との“抱き合わせ”に注意
外貨建て保険はあくまで「保険商品」です。死亡保障や養老保険とセットになっていることが多く、純粋な運用商品ではありません。
そのため、運用目的なら「外貨預金」や「外貨建ての投資信託」の方がシンプルでコストが低く済むことがあります。保険部分のコストや手数料が実質的な利回りを押し下げる場合があるからです。
外貨預金と比べた場合のメリット・デメリット
項目 | 外貨建て保険 | 外貨預金 |
---|---|---|
利率 | 確定(商品による) | 変動が多い |
為替リスク | あり | あり |
保障機能 | あり | なし |
途中解約 | 元本割れのリスクあり | 自由(ただし手数料あり) |
手数料 | 高い | 低め |
リスクとリターンの関係をどう考えるか
ご質問にあった通り、「リスクとリターンは相関関係にある」という認識は非常に大切です。
・ローリスク・ローリターン:普通預金や円建て保険
・ミドルリスク・ミドルリターン:バランス型の投信
・ハイリスク・ハイリターン:株式・暗号資産など
「外貨建て保険」は中間に位置しますが、為替変動の大きさがリスクを上乗せしている点に注意が必要です。
投資判断のポイントは「自分のリスク許容度」
最終的には「自分がどこまでリスクを受け入れられるか」が投資判断の基準になります。為替での損失が気になり不安になる場合は、たとえ利率が高く見えても、その商品は自分に合っていない可能性があります。
反対に、為替リスクを許容し中長期で運用できる人であれば、外貨建て商品も選択肢の一つとなり得ます。
まとめ|「なんとなく得」に見える外貨建て保険に慎重に
外貨建て保険は「利率の高さ」に惹かれる人が多いですが、それは為替リスクという裏側とセットになっています。保険と運用の両方を求めるなら、商品の内容をしっかり確認し、自分のリスク許容度に照らして判断することが重要です。
「自分にとってストレスの少ない選択」が、最終的には最も賢いお金の使い方です。

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