楽天グループ(4755.T)は日本を代表するIT企業のひとつであり、EC、金融、モバイルと多岐にわたる事業を展開しています。特に最近は、楽天モバイルへの巨額投資やその収益性に注目が集まっており、投資家の間では「今が買い時かどうか」について意見が分かれています。本記事では、楽天グループの株を検討している方に向けて、事業内容、株価動向、将来性、リスクを含めた分析を行います。
楽天グループの主力事業と収益構造
楽天の収益は主に3つの事業から成り立っています:EC(楽天市場)、金融(楽天銀行・楽天証券・楽天カード)、通信(楽天モバイル)です。ECと金融は安定した収益源であり、楽天カードの取扱高は日本国内でトップクラスを誇ります。一方、楽天モバイルは巨額の設備投資を伴っており、現在は赤字が続いています。
たとえば、2024年度第1四半期決算では楽天モバイル事業で約1,000億円の赤字を計上しながらも、金融部門の利益がグループ全体を下支えしました。このように、通信事業の黒字化が今後の株価回復のカギを握っていると考えられます。
株価の推移と市場の評価
楽天グループの株価は、2021年に1,500円台を記録して以降、モバイル事業の赤字が嫌気され、2024年には500円台にまで下落しました。しかし直近では、楽天証券の新NISA口座開設数の急増や楽天カードの堅調な業績が市場からポジティブに評価されつつあります。
直近の上昇要因には、モバイル赤字の縮小や増資による財務安定化、さらにAIを活用した新サービスの展開などが挙げられます。ただし、モバイル事業が黒字化するかどうかが依然として不透明であり、株価にはリスクも潜んでいます。
今後の成長性と注目ポイント
楽天グループの今後の成長性において注目すべき点は以下のとおりです。
- 楽天証券のNISA需要に伴う顧客拡大
- 楽天銀行の上場(IPO)効果
- モバイル事業の設備投資の減少とARPU(1人当たり収益)の改善
- グローバルなFintech事業の拡大
特に楽天証券は、SBI証券と並び、若年層を中心に人気が高まっており、NISAの非課税制度拡充により、成長が加速すると予想されます。楽天銀行も2023年に上場を果たし、金融部門の成長は今後の収益改善に貢献するでしょう。
投資判断におけるリスクと注意点
株式投資において、期待と同時にリスクも把握することが不可欠です。楽天株を購入する際の主なリスクには次のようなものがあります。
- 楽天モバイルの赤字継続と資金調達への懸念
- 利上げによる金利上昇が金融セクターに与える影響
- 競合(Amazon、SBI、三井住友グループなど)とのシェア争い
たとえば、仮にモバイル事業で黒字化が遅れると、増資などによる株式価値の希薄化が再発する可能性も否定できません。投資タイミングや長期視点での保有を検討する上では、財務指標や事業の進捗を定期的にチェックする必要があります。
楽天株に投資すべきか?
楽天グループの株価が今後上昇するかどうかは、モバイル事業の黒字化時期と、金融セクターの成長がカギです。楽天のような企業は、赤字の部門を抱えつつも他部門でバランスを取る「複合企業型」のビジネスモデルであるため、全体としての企業体力が問われます。
短期的なリターンよりも、3〜5年スパンでの事業成長と財務改善を期待する中長期の投資スタンスであれば、現時点の株価水準は比較的割安と評価される余地もあります。
まとめ:楽天株は「買い」か?判断材料を整理
楽天グループ株への投資を検討する際は、以下の3点を確認しましょう。
- モバイル事業の黒字化見通し
- 金融・EC事業の安定収益
- 増資や財務の健全性
成長余地のある企業である一方、ボラティリティ(株価変動)が高いため、投資金額や期間を慎重に設定することが重要です。自分の投資スタイルに合っているかどうかを冷静に見極めて、無理のない範囲で判断することが成功への第一歩です。

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