日経平均先物は祝日でも取引されることがあり、特に大阪取引所(OSE)では祝日取引制度により平日同様の取引が可能です。しかし、株式市場が休場となる祝日には、先物の出来高が通常よりも大きく減少する傾向があります。なぜそのような現象が起こるのか、今回はその理由をわかりやすく解説します。
祝日でも日経先物は取引可能だが…
大阪取引所では、祝日でも日経225先物やTOPIX先物の取引が可能な「祝日取引」を導入しています。制度上は取引ができるにもかかわらず、祝日の出来高が通常よりも明らかに少ないのは事実です。
例えば、平日は日経225ミニ先物で1日あたり50万枚以上の出来高があるのに対し、祝日ではその半分以下になることもあります。この背景には複数の要因が絡んでいます。
株式市場が休みだと情報が少ない
日経先物はあくまで株価指数を原資産としたデリバティブ(金融派生商品)です。株式市場が開いていない日は、現物株の値動きが存在しないため、先物取引の根拠となる「材料」が不足します。
特に短期トレーダーは、日中に発表される企業ニュースや指標などを材料にポジションを構築するため、祝日は売買を控える傾向があります。
機関投資家や海外勢も様子見
日本の株式市場が休場の場合、日本国内の機関投資家はほとんど取引を行いません。さらに、祝日には多くの日本人トレーダーが休暇を取るため、売買参加者が減少します。
また、海外勢も祝日中の薄商い相場では積極的にポジションを取らない傾向があり、マーケット全体が閑散とする原因となります。
祝日取引の出来高が少ないことの注意点
出来高が少ない市場では、板が薄くなり、スプレッドが広がりやすくなります。これにより、わずかな取引でも価格が大きく動いてしまう「価格の飛び」や「約定のずれ」が発生しやすくなるため、リスクが高まります。
また、祝日に急な海外ニュースなどで相場が動いた場合、日本市場の反応が翌営業日まで持ち越されるケースもあるため、持ち越しリスクにも注意が必要です。
実際の祝日の取引例と出来高
例えば、2025年7月21日(月・祝)も日経先物は取引可能でしたが、午前9時半時点でのミニ先物の出来高は通常の水準を大きく下回っていました。これは祝日特有の閑散相場の典型例といえるでしょう。
祝日だからこそ、リスクを避けて参加を控えるプロ投資家が多いという事実を裏付ける結果です。
まとめ:祝日の先物取引には慎重さが求められる
祝日における日経先物の出来高が少ないのは、株式市場の休場、取引材料の不足、主要参加者の不在といった複数の要因が重なるためです。制度上は取引可能でも、実際の流動性が低下していることを理解し、慎重に取引する姿勢が大切です。初心者の方は特に、薄商いのリスクを意識し、祝日のトレードには慎重さを心がけましょう。

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