高齢者が長年保有している株式に執着し、なかなか売却に応じてくれないケースは少なくありません。特に思い入れのある銘柄や、自分で築き上げた投資ルールがある場合、その執着は一層強まります。今回は、そのような状況において家族が円満に株の売却を促すための実践的なアプローチを解説します。
なぜ高齢の親は株式に執着してしまうのか?
高齢者にとって株は「成果の証」であり、人生の一部とさえ言える存在です。たとえ売買をしていなくても、毎日株価をチェックすることが生きがいになっていることもあります。
また、過去の成功体験が「いつかまた上がるはず」という確信に変わり、損切りや売却という選択肢を心理的に拒絶させる要因となっています。
放置された株が将来引き起こす問題とは
親が亡くなった後に相続人が株を売却するには、名義変更のための相続手続きが必要になります。これには戸籍謄本や相続人全員の同意書、証券会社ごとの手続きなど、かなり煩雑な対応が求められます。
さらに、相続税評価額が高い銘柄を含んでいた場合、相続税負担のリスクも出てきます。現金化していない資産に対して税金だけがかかるという事態は避けたいものです。
売却を促す説得のコツとタイミング
- 1. 相続の負担を具体的に伝える
「手続きが煩雑で、将来子どもたちが大変になるかもしれない」と優しく伝えると、家族を思いやる親心に響きやすくなります。
- 2. 小分けでの売却を提案
いきなり全株を売却させるのではなく、「一部だけ試しに売ってみよう」と段階的なアプローチを取ることで、心理的抵抗を下げられます。
- 3. 他の用途を見せる
「売却して旅行に行こう」「孫にプレゼントしよう」と具体的な楽しみを提示するのも効果的です。
家族ができる準備:株式の棚卸しと管理
いざという時のために、現在保有している株式の銘柄、証券口座、ログイン情報、取引履歴などを把握しておくことが重要です。
また、エンディングノートや資産管理アプリを活用して、「誰が何を引き継ぐか」を整理しておくとスムーズな相続につながります。
生前贈与や信託の活用も検討を
生前に株式を贈与する方法や、民事信託(家族信託)を使って運用・管理を任せる選択肢もあります。これにより、親が判断能力を失っても事前に定めた人が売却や運用を行える体制を築けます。
まとめ|尊重と現実のバランスを取った説得を
高齢の親にとって株式は単なる金融資産ではなく、人生の象徴であることも多いです。その想いを尊重しながらも、将来の相続や管理の現実に目を向けた対話を重ねることが、納得のいく売却や対応への第一歩となります。

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