NISA（少額投資非課税制度）は、税制上のメリットが大きいため、多くの人々が利用しています。しかし、もしもの時にNISA口座をどう引き継ぐのか、特に家族に相続させる場合には注意すべき点があります。本記事では、NISA口座を妻に引き継ぐ際の手続きと注意点を解説します。
NISA口座の相続について
NISA口座は、基本的には個人の名義で開設されているため、口座名義人が亡くなった場合、NISA口座も相続の対象になります。しかし、NISA口座の資産を直接妻に引き継ぐことはできません。代わりに、相続が発生した場合、相続人（この場合、妻）は以下の手続きを経て資産を受け取ることになります。
まず、NISA口座を相続する場合、通常の金融資産と同じように「遺産分割協議」を行うことになります。ここで重要なのは、NISA口座が非課税枠を利用して運用されているため、相続時に課税されることはない点です。しかし、引き継いだ後にその資産を売却する場合には、税金がかかることもありますので注意が必要です。
相続手続き：NISA口座の資産はどう引き継ぐか？
もしNISA口座を妻に相続させたい場合、まず最初に行うべきことは「相続人の確定」です。遺言書がある場合は、それに従って相続手続きが行われます。遺言書がない場合は、相続人全員で協議し、分割方法を決定します。
その後、相続手続きにおいて必要となるのは、亡くなった方の証明書類（死亡届、戸籍謄本など）やNISA口座が開設されている金融機関に対して「相続人指定」の手続きを行うことです。この手続きを通じて、口座は凍結された状態から解除され、相続人（妻）が資産を管理することができます。
妻がNISA口座の利益を受け取るには？
妻がNISA口座の資産を受け取る際には、引き継いだ資産の管理を開始することが必要です。ただし、相続後もNISAの非課税枠が引き継がれるわけではありません。NISA口座を相続することで、新たにNISA口座を開設することができますが、元々のNISA口座の非課税枠を引き継ぐことはできません。
そのため、相続した資産をNISA口座で引き続き運用する場合、妻は新たに「NISA口座」を開設し、その口座に対して引き継いだ資産を移管することが必要です。その際、利益を受け取ることはできますが、新しいNISA口座の非課税枠が適用されるため、過去の非課税枠は使えません。
手続きに必要な書類と注意点
NISA口座の相続手続きには、いくつかの書類が必要です。主な書類としては以下が挙げられます。
- 死亡届（または戸籍謄本）
- 遺産分割協議書（遺言書がない場合）
- 相続人を証明する書類（相続人代表者の印鑑証明書など）
- NISA口座を開設している金融機関に対する「相続手続き依頼書」
これらの書類を金融機関に提出することで、NISA口座の凍結解除や新しいNISA口座への資産移管が行われます。手続きの詳細は、利用している金融機関に問い合わせることをお勧めします。
まとめ：NISA口座の相続と引き継ぎのポイント
NISA口座の資産は、相続人（妻）に直接引き継がれるわけではなく、相続手続きを経て引き継ぐことができます。相続後、妻がその資産を管理するためには、新たにNISA口座を開設し、その非課税枠を利用して運用を再開することが可能です。
相続手続きにおいては、遺言書や相続人の証明書類が必要であり、手続きを進める上で金融機関と密に連絡を取ることが大切です。妻が安心して資産を受け取るためには、早めに手続きを始め、必要な書類を整えることが重要です。
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