投資の基本の一つに「分散投資」があります。オルカン（オール・カントリー・インデックス）とS&P500を組み合わせた投資が分散投資として効果的かどうかは、多くの投資家が気になるポイントです。この記事では、オルカンとS&P500を合わせた場合の分散効果について、アメリカ株の占める割合やリスクの分散について詳しく解説します。
オルカンとS&P500とは？
オルカン（ACWI）は、世界中の株式市場に分散して投資することができるインデックスファンドです。これは、先進国と新興国を含む、約50カ国以上の企業の株式を対象としています。一方、S&P500はアメリカの上場企業500社を対象としたインデックスで、主にアメリカの大型株を中心に構成されています。
オルカンとS&P500を組み合わせることで、世界中の企業に投資しつつ、アメリカ市場の成長に重点を置くことが可能です。しかし、この組み合わせが分散投資として十分に機能するかは、アメリカ株の影響を理解する必要があります。
アメリカ株が占める割合
オルカンに含まれるアメリカ株の割合は非常に大きいです。オルカンの約60％がアメリカ株で構成されています。S&P500もその名の通り、アメリカの企業500社で構成されているため、ほぼ全ての投資がアメリカ市場に集中していることになります。
このため、オルカンとS&P500を組み合わせることで、世界中に分散投資をしているように見えますが、実際にはアメリカ市場に偏った投資構成となってしまうことがわかります。
オルカンとS&P500の組み合わせはどれくらい分散になるか？
オルカンとS&P500を組み合わせても、アメリカ市場への依存度は高いと言えます。特に、アメリカ株のパフォーマンスが良好であるときは、両方のインデックスが似たようなリターンを示す可能性が高いです。そのため、実際のところ分散効果は限定的です。
一方で、アメリカ市場以外の国々に投資する必要がある場合、オルカンは有効です。オルカンには、アメリカ以外の先進国や新興国の株式も含まれているため、アメリカ一国に依存しない成長の可能性を追うことができます。
リスク分散のための他の選択肢
もし真の分散投資を目指すのであれば、オルカンやS&P500だけでなく、他の地域や資産クラスにも投資することを考えるべきです。例えば、欧州やアジア、オセアニアの株式市場や、債券市場、商品市場などに投資を分散させることで、よりリスクを抑えた投資が可能となります。
また、国内外の資産を混ぜることも有効な戦略です。日本株や他の新興市場の株式を加えることで、さらなるリスク分散が実現できます。
まとめ
オルカンとS&P500の組み合わせは一見すると分散投資に見えますが、実際にはアメリカ市場に偏った投資となるため、真の分散投資にはならない可能性があります。もし真に分散投資を目指すのであれば、オルカンやS&P500に加えて、他の地域や資産クラスにも分散して投資することが重要です。リスクを抑え、より安定したリターンを得るためには、地域や資産クラスに多様性を持たせることが効果的です。
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