新旧NISAと複利の仕組み—オルカン(オール・カントリー)と配当金の関係

資産運用、投資信託、NISA

投資において「複利の力」という言葉はよく耳にしますが、実際に複利が効くかどうかは投資対象によって異なります。最近、テレビで「新旧NISAは長期間続けるほど複利が効いて雪だるま式に増える」と言われていましたが、この言葉がすべての投資に当てはまるわけではありません。特に、オルカン(オール・カントリー)などの配当金がない投資信託において、複利がどのように働くのかについて詳しく解説します。

複利とは?

複利とは、投資した元本に対して得られた利益(利息や配当金など)も含めて次回の利益を計算する仕組みです。この仕組みが働くことで、時間が経つにつれて投資金額が雪だるま式に増えることになります。例えば、配当金がある銘柄に投資した場合、配当金を再投資することで次の利益がさらに増え、最終的には大きなリターンを得ることが可能です。

このように、複利が効くのは再投資型の投資信託や配当金のある株式投資の場合です。

オルカン(オール・カントリー)とは?

オルカン(オール・カントリー)は、世界中の株式市場に投資するインデックスファンドであり、幅広い国々に分散投資を行っています。しかし、オルカンには配当金を出す株式が含まれている一方で、分配金が少ない、または分配金がない部分もあります。

そのため、オルカンのような配当金の少ないインデックスファンドの場合、配当金を再投資することによる複利の恩恵を受けにくいと言えます。価格の変動によって口数が増えることはありますが、複利的な効果が得られにくいのが現実です。

オルカンと複利の関係

オルカンのような配当金が少ない銘柄を積み立てた場合、株価の上昇による利益が元本に加算されるため、元本×価格の関係が重要になります。これは、複利的な効果とは異なり、単に投資した金額が増えるだけの「単利」と考えることができます。

たとえば、オルカンを20年間積み立てた場合、価格が上昇すればその分口数も増えますが、配当金の再投資によって利益が積み重なっていくわけではないため、単利的な運用に近い結果になります。

再投資型と配当型の違い

再投資型(配当金を自動的に再投資する型)と配当金を分配型にするのでは、投資成果に大きな差が出る場合があります。再投資型では、得られた配当金を再投資することで、時間が経つにつれて複利的な効果を得ることができます。

しかし、オルカンの場合、配当金が少ないため、再投資型にしても複利の恩恵を受けるには限界があります。そのため、長期的に見てもオルカンだけでは複利効果を最大化するのは難しいかもしれません。オルカンを選択する際には、この点を理解して投資戦略を考えることが重要です。

複利の力を最大化するために

複利の力を最大化するためには、配当金を積極的に再投資できる投資対象を選ぶことが鍵です。例えば、高配当株や配当金を再投資するインデックスファンドなどは、複利の恩恵を十分に受けることができます。これらの投資信託や株式は、時間が経つごとにより多くの利益を生み出すことが期待できます。

オルカンのようなインデックスファンドでも、株価が安定的に上昇している限り、長期的には資産を増やすことが可能ですが、複利的な効果を得るには、より配当金の高い銘柄を選ぶことが有効な戦略となります。

まとめ

オルカンなどの配当金が少ない銘柄では、再投資型でも複利効果を最大限に活用することが難しい場合があります。一方で、配当金が多い銘柄や再投資型の投資信託では、複利効果をしっかりと受けることができます。複利を活用して資産を効率的に増やすためには、投資対象の選択が重要であることを理解し、長期的な投資戦略を立てることが求められます。

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