時間外注文における成行注文と指値注文の約定しやすさ|株取引の基礎

株式

株取引では、時間外に注文を出しておくことが一般的です。その際、成行注文と指値注文のどちらが約定しやすいのか、また注文数量が多いと約定率が変わるのかについて疑問を持つ方も多いでしょう。本記事では、時間外注文における約定の仕組みと、それぞれの注文方法の特徴について解説します。

1. 成行注文と指値注文の違い

まず、成行注文と指値注文の基本的な違いを理解しておきましょう。

注文方法 特徴 約定のしやすさ
成行注文 価格を指定せず、最優先で約定を狙う 最も約定しやすい
指値注文 指定した価格以上(売り)/以下(買い)でしか約定しない 指定した価格による(市場価格から乖離があると約定しにくい)

成行注文は、指定価格を設定しないため、市場の流動性がある限り必ず約定します(ただし、極端な値動きがあると希望外の価格で約定する可能性がある)。

2. 1050円の指値注文と成行注文の約定しやすさ

質問のケースでは、現在の株価が1000円のときに、以下の2つの注文が比較されています。

  • 1050円の指値注文で300株
  • 成行注文で300株

この場合、成行注文の方が圧倒的に約定しやすいです。理由は以下の通りです。

  • 指値注文は「1050円以下」でしか約定しないため、売り手が現れないと約定しない
  • 成行注文は最優先で執行されるため、市場価格に関係なく注文が通る

つまり、「確実に約定させたい場合は成行注文を選択する」のが基本です。

3. 注文数量による約定率の違い

次に、「同じ成行注文でも、300株より500株の方が約定しやすいのか?」という点について解説します。

成行注文の約定は、売り注文の在庫に依存します。したがって、注文数量が大きくなると以下のリスクが発生します。

  • 市場に流動性が十分にある場合 → 注文株数に関わらず、約定しやすい
  • 売り注文の在庫が少ない場合 → 500株の注文のうち、一部しか約定しない可能性がある

つまり、「注文数量が多い=約定しやすい」とは限らず、市場の流動性によって結果が変わるということです。

4. 時間外取引における成行注文のリスク

時間外取引では、通常の市場とは異なる取引ルールが適用されることがあり、成行注文のリスクも考慮する必要があります。

  • 流動性が低く、希望価格より大幅に乖離した価格で約定する可能性がある
  • 大口注文の場合、注文が分割され、異なる価格で約定することがある
  • 注文が一時的に市場に残ることで、価格変動を誘発することがある

このため、時間外取引では「指値注文」で安全に取引するのが基本です。

5. 注文方法の選び方|ケース別の最適な戦略

以下の状況に応じて、最適な注文方法を選びましょう。

  • 確実に約定させたい → 成行注文
  • 希望価格で購入・売却したい → 指値注文
  • 時間外取引でリスクを抑えたい → 指値注文推奨
  • 大口注文をする場合 → 市場の流動性を考慮し、小分けに発注

まとめ:時間外注文では成行と指値の使い分けが重要

株式の時間外注文において、成行注文と指値注文の約定しやすさは以下のように整理できます。

  • 成行注文は最も約定しやすいが、価格変動のリスクがある
  • 指値注文は希望価格で取引できるが、約定しない可能性がある
  • 注文数量が多いほど、約定しやすいとは限らない(流動性に依存)
  • 時間外取引では、指値注文でリスクを抑えるのが一般的

以上のポイントを意識しながら、状況に応じた最適な注文方法を選択しましょう。

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