GDPとGNPの違いと計算式をわかりやすく解説|混乱しがちな経済指標の基礎

経済、景気

経済の学習を始めると、GDPやGNPといった用語に触れることが多くなります。しかし、これらの定義や計算式は一見似ているため、混同しがちです。この記事では、GDPとGNPの違いや、それぞれの計算方法、混乱しやすいポイントを実例を交えてわかりやすく解説します。

GDPとは?国内総生産の基本

GDP(Gross Domestic Product)とは、「国内で一定期間に生産された付加価値の総額」を指します。付加価値とは、売上から中間生産物(原材料や部品などの仕入れコスト)を引いた額です。

例えば、日本国内の企業が1年間に商品を作り、その売上が1000億円で中間投入が700億円だった場合、GDPは300億円になります。このように、GDPは「生産額 − 中間生産物の額」という式でも求められます。

GNPとは?国民総生産の定義

GNP(Gross National Product)とは、「日本人が国内外で得た付加価値の合計」を示します。国内に限らず、海外で働いて稼いだ所得(投資収益など)も含まれるのが特徴です。

たとえば、ある日本企業が海外で得た収益が50億円あり、逆に外国人が日本国内で得た収益が30億円あるとした場合、海外からの純所得=50億円 − 30億円=20億円となります。

この場合、GNP = GDP + 海外からの純所得 という式が成り立ちます。

「GDP = GNP − 海外からの純所得」という式の意味

よく混乱されるのがこの式です。これはGNPの式を変形したものであり、GDPを求めたい場合にGNPと海外純所得の差を使う方法です。

つまり、GNPが既知で海外純所得が分かっているときは、GDP = GNP − 海外からの純所得という逆算も可能です。これは、計算上の関係であって定義を否定するものではありません。

3つのGDPの算出方法とそれぞれの特徴

  • 生産面からのGDP:総生産額−中間投入額(付加価値の合計)
  • 支出面からのGDP:民間消費+政府支出+投資+純輸出(輸出−輸入)
  • 所得面からのGDP:雇用者報酬+営業余剰+固定資本減耗+生産・輸入品にかかる税−補助金

いずれの方法でも同じGDPが算出されますが、使用する場面によって使い分けられます。

具体的な例で理解を深めよう

ある年の日本の統計で、GDPが500兆円、海外からの純所得が20兆円だとすれば、GNPは520兆円となります。

逆に、ある統計にGNPが520兆円と記載されていれば、GDP = GNP − 海外からの純所得 = 520兆円 − 20兆円 = 500兆円と求めることができます。

まとめ:GDPとGNPの違いは「国内」か「国民」か

GDPとGNPは似ているようで、「どこで生まれたか(国内)」と「誰が生んだか(国民)」という視点の違いがあります。それぞれの定義と計算式を正しく理解しておくことで、経済指標の読み取りが格段にスムーズになります。試験や日常のニュースでも頻出する概念なので、混同せずに整理して覚えましょう。

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