ドル円相場の『底打ち』と『円買い巻き戻し』とは?為替変動の背景と150円のトリガー水準を解説

外国為替、FX

2024年4月末、ロイターが報じた為替市場の動向において「ドル円が底打ち」との見方が強まっているというニュースが注目されました。この記事では、ドル円相場における『底打ち』の意味、投機筋の円買いポジションの巻き戻し、そして『150円』という具体的なトリガー水準が何を意味するのかを、実例を交えてわかりやすく解説します。

『底打ち』とは?為替市場での意味を理解しよう

「底打ち」という言葉は、相場の下落が一段落し、それ以上は下がらないという見方が形成され始めた状態を指します。今回のドル円で言えば、「これ以上は円高(ドル安)が進まない」と市場が判断し始めた、ということになります。

たとえば、4月29日時点でドル円は145円台でしたが、そこから円安方向へ戻る動きが出てきたことで「底打ちした可能性」が意識されているのです。

投機筋の円買いポジションと巻き戻しとは?

『投機筋の円買いポジション』とは、ヘッジファンドや機関投資家が「円の上昇(=円高)」を見込んで買っていたポジションのことです。過去最大規模に積み上がったということは、多くの市場参加者が「円高」を予想して円を買っていたということになります。

しかし、為替が反転して円安方向に動き出すと、彼らはポジションを解消(=円売り)する必要が出てきます。これが「巻き戻し」です。そして、この円売りがさらに円安を加速させるという、連鎖的な動きが生まれます。

なぜ『150円』がトリガー水準とされるのか?

報道によれば、投機筋の円買いの平均取得価格が「150円前後」と推定されています。つまり、ドル円が150円を超えてくると、多くのポジションが損失を抱える状態になり、「損切り(ロスカット)」や「利確(利益確定)」を目的とした大量の円売り=ドル買いが発生する可能性が高まります。

この水準を「トリガー水準」と呼びます。相場がこの価格帯に到達すると、巻き戻しが一気に進む可能性があるため、市場関係者は注視しているのです。

実例:過去の巻き戻しが市場に与えたインパクト

2022年のドル円相場では、145円から一気に151円まで上昇した局面がありました。これは、日銀の緩和維持方針に対して市場が失望し、大量の円売りが巻き戻されたことが原因とされています。

このように、一定のテクニカルラインやポジションの平均取得価格がきっかけとなって、大きな値動きが発生することは少なくありません。

現在の相場水準と今後の見通し

記事執筆時点では、ドル円は145円台で推移していますが、今後再び円安の流れが強まれば、150円という心理的・実務的な節目が意識されることになります。

一方で、介入リスクや米国の金利政策、日本の経済指標など、複数の要因が絡むため、単純に「150円で一気に上昇する」とは限らないことにも注意が必要です。

まとめ:為替市場の動きはポジションの構造がカギ

今回の「底打ち」や「円買いポジションの巻き戻し」は、為替市場の参加者がどのような立ち位置にあり、どこで動き出す可能性があるかを示すヒントとなります。

特に150円前後という水準は、テクニカル分析と市場心理が交差する重要ラインとして、今後の相場に影響を与える可能性が高いと考えられます。FXや為替投資に取り組む方は、こうしたポジション構造や市場のセンチメントにも目を配ることが、的確な判断につながるでしょう。

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