個別株で実績を持つ有名トレーダーが「投資信託を始めた」と聞くと、多くの人が疑問を感じるのは自然なことです。「わざわざ利回りの低い投資信託を選ぶなんて、宣伝目的では?」と考える人もいます。しかし、投資信託には個別株とは異なる価値があり、プロでも使う理由は明確に存在します。
投資信託は「守り」と「効率」の投資手段
投資信託は市場全体への分散投資が可能で、ボラティリティ(値動きの激しさ)を抑えられる点が最大の特徴です。資産が大きくなると、安定性やリスク管理の重要性が増すため、プロでも一部の資産を投信に回すケースは珍しくありません。
たとえば、100万円の資産を運用していた個人投資家が、数年で1億円の資産を持つようになれば、「全額をリスクの高い個別株に投じる」運用から「安定性を確保するポートフォリオ運用」へと考え方をシフトするのは理にかなっています。
自動で積立できる手間いらずのメリット
投資信託は「自動積立」が可能で、時間と手間をかけずに資産形成が進むのも魅力です。個別株の場合は銘柄選定や売買のタイミング判断が必要ですが、インデックス型の投信なら、ほぼ放置でも市場全体の成長を享受できます。
例えば、NASDAQやS&P500に連動する投資信託であれば、米国株全体の成長に乗ることが可能で、テクニカル分析やニュースチェックが不要になります。
相場環境が読みにくい時期こそ分散投資が有効
個別株は大きなリターンを狙える反面、判断を誤れば大きな損失にもなります。特に相場が不透明な時期や地政学的リスクが高まっているタイミングでは、全資産を個別株に置くのはリスクが高すぎるという判断が働きます。
そのため、投資信託やETFを通じてリスク分散を図ることは、むしろ“プロらしい合理的な選択”とも言えます。
発信力のある投資家が金融リテラシーを高める一助にも
有名投資家が投信を活用していることを公言することで、一般の個人投資家が「投資=ギャンブル」ではなく「資産形成の手段」として認識するきっかけにもなります。信頼される人物が活用することで、投資信託の正しいイメージが広まり、初心者が安心して資産形成を始めやすくなる効果も期待されます。
特に「老後資金2000万円問題」以降、つみたてNISAやiDeCoへの注目が高まっており、こうした流れを後押しする立場として投信を紹介することも、社会的意義のある行動です。
「宣伝目的」として捉えるのは短絡的
確かに金融機関とのタイアップやインフルエンサー起用がマーケティングとして行われることはありますが、それだけで「意味がない」と決めつけるのは早計です。トレーダー自身が「資産全体を俯瞰した中で、あえて投信を組み入れた」と語っていれば、その理由には戦略的な意味があります。
むしろ、短期トレードだけで全資産を運用し続ける方が危険であり、複数のアセットを組み合わせた分散戦略は、資産防衛のためには王道とも言える考え方です。
まとめ:プロも使う投資信託には理由がある
個別株で成功している投資家が投資信託を始めるのは、「勝てないから投信に逃げた」わけではありません。資産が増えるにつれて、「守り」の重要性が増し、効率性や安定性を求める投資戦略へと進化しているのです。
プロが選ぶものには、それなりの根拠があります。私たちも「なぜ選んだのか」という視点で見ることで、より本質的な投資の考え方に触れられるかもしれません。

こんにちは!利益の管理人です。このブログは投資する人を増やしたいという思いから開設し運営しています。株式投資をメインに分散投資をしています。
コメント