為替の世界では、通貨の値動きを通して「どの通貨が強いのか・弱いのか」を見極めることが重要です。特にFX初心者にとって混乱しがちなのが、複数の通貨ペアをどう組み合わせて読み解くかという点。この記事では、米ドル/円(USD/JPY)、ユーロ/円(EUR/JPY)、ポンド/円(GBP/JPY)などを比較しながら、どの通貨が変動の主因なのかを判断する基本的な考え方を解説します。
通貨ペアは相対的な価値の関係を示す
FXは「通貨の交換レート」であり、1つの通貨ペアには常に2つの通貨が含まれています。たとえば「ドル円(USD/JPY)」が上昇するというのは、「ドルが強い」か「円が弱い」か、またはその両方が同時に起きているという意味です。
したがって、通貨ペアの動きを「単独」で見ても、どちらの通貨の影響なのか判断がつきません。ここで複数のペアを見ることで、その答えが見えてきます。
実際の通貨強弱の読み解き方
たとえば以下のような状況を考えてみましょう。
- ドル円(USD/JPY)が上昇
- ユーロ円(EUR/JPY)も上昇
- ポンド円(GBP/JPY)も上昇
この場合、すべての「円」が売られている=円安と判断できます。逆に、
- ドル円は上昇
- ユーロ円とポンド円は下落
この場合、円の動きに矛盾があります。円が売られていればすべての円建てペアが上昇するはずですが、そうなっていない。つまり「ドルが強く、他の通貨が弱い」と考えるのが妥当です。
なぜ矛盾する動きが出るのか?
為替市場では、経済指標や中央銀行の発表などによって、個別通貨に異なる影響が出ます。たとえばアメリカの雇用統計が強かった場合、ドルは買われますが、ユーロやポンドには特段影響がない(もしくは売られる)ということもあります。
つまり「米ドル/円が上がる=円が売られた」と単純に言えない理由は、他の円建てペアがどう動いているかを見なければ、円の強弱を正確に測れないからです。
チャートの見方:相関関係を活用する
複数のチャートを同時に表示し、それぞれの動きに注目するのが効果的です。以下のようなシナリオで相関を意識すると良いでしょう。
- USD/JPYが上昇し、EUR/JPYも同じタイミングで上昇 → 円安が原因の可能性
- USD/JPYだけが上昇、EUR/JPYとGBP/JPYは横ばいまたは下落 → ドル独歩高の可能性
TradingViewなどのツールを使うと、通貨ペアの比較チャートを重ねて視覚的に強弱を把握できます。
初心者が注意すべき点
通貨の強弱判断は慣れが必要です。以下のポイントを意識しましょう。
- 通貨単位ではなく「ペア」で動いていることを忘れない
- 相関と逆相関を組み合わせてみる
- ニュースや経済指標が何に影響を与えているかを考える
また、1つのペアの動きだけで判断するのではなく、複数のペアを比較して、どの通貨に買いが入っているのか、売りが出ているのかを冷静に見極めることが大切です。
まとめ:通貨の力関係を複数ペアで判断するのがFXの基本
ドル円の上昇だけでは「円安」とは断言できません。他の円建て通貨ペア(ユーロ円、ポンド円など)の動きをあわせて観察することで、通貨ごとの「真の強さ・弱さ」を判断できるようになります。
複数の視点を持つことが、FXでの勝率を上げる鍵です。通貨の動きに惑わされず、本質を見抜くための訓練として、日々の値動き観察に取り組んでみてください。

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