銀行預金と日本国債、どちらも「安全資産」として扱われますが、金利(利回り)を比較すると、日本国債のほうが高くなるケースが多いです。「銀行のほうが潰れそうなのに、なんで金利が低いの?」と疑問に思う方もいるでしょう。この記事では、その仕組みと理由をわかりやすく解説します。
銀行預金の金利はなぜ低いのか?
銀行預金の金利が低いのは、銀行にとって預金は「資金調達手段」だからです。つまり、私たちが預けたお金は銀行が貸し出す原資であり、できるだけ安く(低金利で)集めたいのです。
さらに、日本の銀行預金は1,000万円までの元本と利息が預金保険制度で保護されています。そのため、ほとんどの預金者は銀行の経営リスクを気にせずに預け入れることができ、銀行側も無理に高金利で預金を集める必要がないのです。
日本国債とは?実質的に「最も信用度が高い」資産
日本国債は国(日本政府)が発行する借用証書のようなもので、国が元本と利息を返済することを約束します。日本は自国通貨(円)で国債を発行しているため、極端にいえばお金を刷ってでも返済可能と考えられています。
このため、世界の投資家から見ても日本国債の信用度は非常に高く、「無リスク資産」として位置づけられます。
なぜ国債のほうが金利が高くなることがあるのか?
金利は「信用リスク」と「流動性」と「需給」で決まりますが、銀行預金には預金保険があり信用リスクが実質ゼロ、そして解約も自由なので流動性が高いのが特徴です。
一方、日本国債は保有期間中の価格変動や売却時の損益変動リスクがあり、一般個人にとってはやや不便です。その不便さの分だけ、国債は少し高めの利回りでないと買ってもらえません。
また、金利が上昇局面にあるときは、既発国債の利回りが相対的に高くなる傾向があります。
実際の例で比較してみよう
2024年現在、某メガバンクの普通預金金利は年0.001%、定期預金でも0.002%程度。一方で、日本国債(10年物)の利回りはおよそ0.7%前後です。
たとえば100万円を預けた場合。
- 銀行定期預金:1年後に+20円
- 10年国債:1年あたり+7,000円(複利考慮せず)
この差は明確です。しかし、預金はいつでも引き出せる流動性があり、国債には中途解約にリスクや手数料があるという点も踏まえて選択する必要があります。
リスクと利回りのバランスが鍵
金融商品は基本的に「リスクが高いほどリターンも高い」のが原則です。日本国債はリスクが極めて低いものの、価格変動や売却タイミングによっては損をする可能性があります。
一方、銀行預金は流動性が高く、預金保険の対象という点で「ほぼ無リスク」。その安心感の代わりに、利息は限りなく小さいのです。
まとめ:金利差の背景を理解して上手に使い分けよう
「リスクが高い銀行のほうが利回りが低いなんておかしい」と感じるのは自然ですが、実際には預金保険制度や資金調達の構造など、多くの要素が金利の設定に影響を与えています。
日本国債と銀行預金、それぞれの特徴とリスク・リターンを理解したうえで、目的や資金の性質に応じて賢く使い分けることが大切です。安全第一なら預金、少しでも利回りを取りたいなら国債、という選択が基本となるでしょう。

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